2018年4月14日土曜日

REGAL 02PRBG ~買いました~


濃茶の3穴プレーントウを購入した。
2018年のSS(春夏)モデルでリリースから間もない靴。
定番の靴を履きたいという思いや、元々この3月に購入しようと思っていた靴があったにも拘わらず、短期間で廃盤になるかもしれないゴム底の靴をまたも懲りずに購入してしまった。




この靴との出会いは、確か2月の初旬にリーガルシューズを覗きに行ったときに並んでいたのを見たのが初見。
定番的なフォルム故にどのような履き心地なのか気になり、試し履きさせてもらったところ、そのピッタリ感に感嘆。3月に購入しようと決めていた靴がすでにあったけれど、その決意が揺らぐほどのピッタリ感だった。

その後、日を変えて何度か試し履きをさせてもらったが、初回の試し履き時と同様、つま先、ボールジョイント幅、高さ、一の甲から三の甲まで甲全体の高さ、踵、踝、履き口回り、どの部分も緩くないし、キツ過ぎる所もない。敢えて言えば踵が若干緩めだが、大きさ自体は01DRなどと同程度が微妙に大きいかな程度で、フィット感はあり抜けるような感じはない。屈曲させない試し履きの段階では履き心地に非の打ちどころが見当たらない。
大雑把に履き心地を表現するならば、01DRを少し低くこじんまりさせたような履き心地。
ロング加減が01DRより短めな分指先の自由度は小さ目、一の甲から二の甲にかけての高さが低め、履き口回りも少し小さめになっている(と思う)。

そもそもの購入計画では黒のストレートチップを買う予定だったので、内羽根を最初に試し履きしたのだが、外羽根と内羽根では履き心地がやはり少し違うようだ。内羽根で感じた違いは、外羽根より一の甲の高さが高く感じた点、外羽根で感じたのは、踵のフィット感が内羽根より緩い点。01DRシリーズでも同様だったので、踵のフィット感は内羽根の方が優れる傾向にあるのかもしれない。

すでに計画していた靴とどちらを買うか約2ヶ月考えた。どちらも買うという選択ができれば考える必要などないのだが、そうは財布が許してくれない。
スペックを取るか、履き心地を取るか。
頭で履くか、足で履くか。
3月で期限の切れる1万円分のリーガル割引券はディスカウントが期待できない靴に使うべきで、ディスカウントされるであろう靴に使うのは勿体無いのではないか。
2年以上前から買おうと決めていた靴の購入をさらに延期するのか。

色々と葛藤したけれど、結局、履き心地が一番重要だろうと考え、このシリーズの靴を買うことにした。
となると、ゴム底の黒ストレートチップは2足あり、黒のプレーンは昨年04MRと2236を購入したばかり。フルブローグは03DRがあるしで、どれにしようかこれまた迷った。
履き心地は外羽根のほうが好みだったので、プレーントウにすることにし、04MRと被らぬように敢えてダークブラウンにした。この革の印象からすると黒のほうが好みなのだが、濃茶のプレーントウであれば、プライベートでもビジネスでも使えるかなとちょっと欲張りなことも考えて、新たな色に挑戦することにした。虻蜂取らずにならないように気遣おうと思う。



2018年SSモデルとしてリリースされたこのモデル。今回購入した02PRBG(外羽根プレーントウ)の他に、03PRBG(内羽根ストレートチップ)、04PRBG(内羽根ショートウィング)がある。また、違う木型を使用しているが、同じPRBGのローファー、01PRBGがある。価格は税込みで29,160円。





甲革は国産アニリンキップ。
Webページの商品紹介文では”アニリン調”と記載があり、この表現からはアニリン仕上げではない似た仕上げの革と読み取ることもできるので直接リーガルに聞いてみた。返答を要約すると国内のタンナーで鞣されたアニリン仕上げのキップとのこと。
リーガルの店員さんもこの"アニリン調"との言葉からアニリン仕上げではないと断言していたので、この紹介文の表現は間違いではないけれど曖昧な部分があり適切な表現とは言い難い。まぁ革の仕上げ方法が違っていたところで、判別できる人など少ないだろうし(私だけかもw)、大きな問題にはならなそうだから良いのかな。




このアニリンキップは02KRに使われれている国産キップと比べると凹凸感が少なめで肌理も少し細かいように見える。
凹凸感が少なく肌理も細かめなせいなのか、アニリン仕上げだからなのか、購入時にはマットな印象が強かった02KRの甲革とは趣が随分異なり、Webページの紹介文にあるように”透明感”があるように感じる。パッと見の印象として綺麗だなと感じた。
濃茶は今回初めて購入したのだけど、すぐ上の一枚目の画像のようによく見ると色が斑状になっている。後から仕上げで色を入れたりしているとこうなるのかなと思っているのだけど、リーガルの茶系の靴ではちょくちょくこういう仕上げを目にすることがある。このような仕上げは私はあまり好きではない。美しくない(私には)。多少離れれば斑は見えないのでそれほど気にする必要はないと思うのだけど、間近に見ながら手入れしているときに綺麗に落としたいという誘惑に駆られそう。綺麗になるのかどうかは何度か手入れしたらわかると思うのだけど、ゴシゴシ擦りたくなったりリムーバー使いまくったりしたくなりそうでなんか嫌だなと。






底材は革底チックな色合いの平らなゴム底とゴムの踵。ヒールトップは01DRなどと同じ(?)デザイン。
出し縫いの糸は隠れていない。ゴム底で伏せ縫いなんてないかw。
この肌色のようなゴム底は他の靴でも使われていたことがあるそうだが、2504などのサビ底の色とは違い私にはしっくりくる印象。底材を意識させない色目といったらよいだろうか。サビ底やサビ底を軽量化した底材、エアローテーションの底材などは暗く濃い色合いのせいか見た目でゴム底であることを無意識に意識させられる感じがするが、この色は気にならない感じがする、私にとっては。
まだ履き下ろしていないので、ソールの返り具合や耐久性、グリップ力などはこれから。
仮に返りが悪くても、紐をしっかり締めておけば大丈夫なはず。

底の形状からウエストは01DR程ではないものの、かなり絞られているように見え、つま先は内振りに振られているように見えるので親指側は楽な履き心地になりそう。



アッパー側の出し縫いの糸は、ゴム底にしては珍しく隠れている。01DRなどと同様の手法のようだ。踵にウエルトは巻かれていないので、全周ウエルトに比べるとヒールは小さめでドレス寄りの印象。
コバの仕上げは見ての通り平コバ(?)。ゴム底ではコバの意匠はこの真っ平な仕上げ一択のようだ。




踵の仕上げはドッグテイル。革の縫い合わせはブリストルと同じ手法。
踝の高さを内側と外側で変えているのが顕著に見て取れる。01DRシリーズはこの高さの違いを訴求してるけど、このシリーズではスルー。01DRより内外の高さの違いが小さいからなのか、造りよりも甲革を推したいということなのか。あるいは紹介文に字数制限があるのかも。
トップラインはパイピング処理されていて、踵の形状は上に向け絞られているように見える。




踵部分を真上から。
この踵内側が歩く時に踵に引っかかってくれそうな所に期待。踵が抜ける気配は全くないけれど、02KR、04MRと踵に不安がある靴が続いたせいか妙に踵が気になっている。



縫い糸はリーガルのこの価格帯の標準かな。01DRよりは糸も太くピッチも少し大きめのように見える。同じ価格帯の31ERや02KRと同様。
靴ひもは少しベタつく紐が使用されていて緩みにくそう。


今年の1月製造かな。
この表記、製造計画段階で印字されているのか、必ずしも本当の製造時期とは一致しないこともあるようだ。昨年末に今年一月製造を表す表記の靴を店頭で見た。ひょっとしたら生産時期ではなく生産計画上の時期表記なのかもしれない。あるいは工場都合で前倒し生産したのかも。



ライニングは布張り。タンには特にパッドなども入っていない。
ここら辺でウエルトの縫い目を隠す工数の分のコストを落としてしているのかな。
靴のセンターラインより甲の峰が結構内側に寄っているように見えなくもない。




見ての通り、鳩目は三つ。特にこれといった目立った特徴のない上品な印象のVフロントに見える。それほどロングでもなく、目立つ意匠やデザインもなく至って普通な、定番的な佇まいが私には好みだ。

私の印象ではリーガルにしては各所を小さめにした木型を使ってデザインは至って定番的。甲革には綺麗な表革を使い、出し抜い糸を隠してより上品な雰囲気を醸し出し、底材もギミックなしの普通のゴム底。こんな靴はビジネスシーンによくマッチするのではないだろうか。アニリン仕上げなのでガラス革に比べたら少し扱いに気を遣う必要がある場面が出てくるだろうけれど、そこをクリアできるならビジネスシーンの頼れる相棒になってくれる要素は十分に持ち合わせているように思う。



購入してからすでにひと月余りを経過したが、まだ箱に入れたままツリーの手配すらしていない状態。最近あまり靴にかける時間が取れないでいる。うかうかしているとすぐ梅雨時期になってしまうが、慌てずにゆっくりと履き下ろそうと思っている。雨に弱いと聞くアニリン仕上げで尚且つシミなどが黒よりも目立ち易いはず。後悔の無いように履きおろし前のメンテをじっくりするつもり。雨対策や履きおろし前のメンテといっても、いつものメンテとやることは大して違わないのだけど、皺の入り方が穏やかになってくれたらよいなぁと、デリケートクリームを期間を開けながら、数回入れてから履き下ろそうと考えている。皺の入り方が穏やかになったかどうかの検証の方法は今のところないから、私の気分の問題。

ツラツラと書いてきたけれど、一言で言えば、あまりのピッタリ感に心を鷲掴みにされ、買わざるを得なかったといったところ。こういう心掴まれる靴との出会いってそれほど多くはないから大切にしたい。また、私は国産が好きなので、国産の革というだけで”がんばれ!日本のタンナー”と思ってしまうところがあり、この革は国産では私はあまり耳にしたことがないアニリン仕上げであることも買いたい気持ちを強くさせた。他にも国産でアニリン仕上げの革はあるのだろうけど、あまりそれと聞いたことがないので、日本のタンナーのアニリン仕上げの革も訴求ポイントになるように広まればよいなと。海外製の革に比べてどうかは私にはわからないけど、この革の現時点の印象では、色目と仕上げによる斑を除けば、見た目に特に不満はないし綺麗だと思う。

試し履き時にピッタリの靴を買うと馴染んだら緩くなるというジンクスが私の中であるので、そこは少し心配だけどこの靴との対話を焦らずにゆっくりと始めたいと思う。

2 件のコメント:

  1. 3アイレットのプレーントゥ、素敵ですネ!
    Hayateさんの観察力満載の内容で、読み応えがありました。

    ダークブラウンの靴は、長めの出張の際など、オンにもオフにも使えるので重宝します。
    現地の天候を気にしなくていいラバーソールだとなおさらです。
    また、真夏のクールビスの時など、黒靴だとちょっと重い感じになりがちなので、これからのシーズン活躍すると思います。

    確かに最近のリーガルさん、マットな質感の靴が多いようです。
    流行もあるのだと思いますが、ガラス革の靴のようなピカピカ感よりつや消しの靴が好まれる傾向にあるのかも知れません。(他の国産靴メーカーも焦がし加工が入ったマットなものが増えている気がします)

    私も個人的にはW10Bや01NRのようなグレージング革が好きですが、この02PRBのような革もお手入れの仕方によって、マットにもツヤ感にも仕上げられるので、それはそれで楽しい革だと思っています。

    今後、Hayateさんがどんな風に育てていかれるのか、楽しみにしています。

    ちなみに、最近は天候不順の影響もあり(ビジネスシューズでは)革底よりラバーソールの靴を購入しています。
    エアローテーションでは01KR(プレーントゥ)、04KR(セミブローグ)、05KR(ウィングチップ)を持っています。
    確かに最初は凸凹の革でしたが、お手入れを重ねる内にとても滑らかな革に変身しました。(笑)
    Hyateさんが感じておられる「クリームを入れる度に艶が増すというか深みが出る」と私も思います。

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    1. チルットさん

      コメントありがとうございます。

      このエントリーで読み応えを感じたとの感想を頂き、率直に嬉しいです。興味を持って読んでいただけたとは励みになります。ありがとうございます。

      濃茶の靴はこれが初めてですが、おっしゃる通り汎用性が高そうなことを主な理由に選んでみました。あれもこれもと欲張るとすべてにおいて中途半端になるリスクもあるので気を付けようと思っています。まずは近似色で似た質感のベルトから揃えていこうかと。

      この靴はまだメンテ方針を定めていません。クリームの必要性検証にブラッシングのみでどうなるのか試してみたいという思いもありますし、デリケートクリームだけというのも試してみたい気もします。国産キップがどんな表情になるかにも興味あるので、いつものメンテと同様にニュートラルのクリームメインというのが最も無難で有力です。
      まだブラッシングすらしていないので触った感じや手入れ時の感触、反応などどんな感じなのか楽しみです。

      01KRシリーズを3足もお持ちなのですね。KRシリーズは廃盤になってしまい残念です。雰囲気と履き心地を好むサラリーマンは多いのではないかと期待しましたが、あまり受けは良くなかったようです。
      私は02PRシリーズに出会ってしまったので、02KRだけで打ち止めになりそうですが、廃盤でセールにかかっているので未だに気になります。

      ラバーソールは実用性高いですよね。ビジネス用にラバーソールを選ばれるお気持ち、よくわかります。
      天候に関係なく仕事をしなければならないビジネスマンが、天候を気にせず履ける靴を選ぶのは至極当然のこと、という考え方もできるように思います。
      ゴム底にはゴム底の良さがあり、革底には革底の良さがありますが、それぞれが持っている良さを、日常にどう活かすかは履き手次第なんだろうなと。

      KRシリーズのキップ、箱から出した時と、クリーム入れていった時とで表情が随分変わりますよね。表情の変化を楽しめる所も良い所です。
      私の02KRもそろそろメンテ時期かなと感じているのでGWには時間を創りたいと考えています。

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