2017年6月26日月曜日

靴のお手入れ 2017/6/25



今夜のメンテは5足。
W10B、02DR、3029SF、33ER、31ER①。
W10Bと02DRはこの2足で一週間の出張での汚れと雨濡れ後の処理の為、3029SFは強い太陽光の下での色落ちが気になった為の補色、31/33ERは梅雨本番に向けての対応準備が主な目的。



メンテ内容
・濡れ雑巾で軽く拭う
・ステインリムーバーをコットンパフで塗布
・濡れ雑巾で軽く拭う
・シュークリームをペネトレイトブラシでウエルトメインに伸ばす
・化繊ブラシでブラッシング
・馬毛ブラシでブラッシング
・ボロ布でカラ拭き

まずは革底の3足から


3週間前にも出張後のメンテをしたばかりのW10B。今回もスーツを着る機会の無い、割と長い出張の相棒にこの靴を選んだ。中一日で3回4回と登板させると見た目はブラッシングでは取れない汚れが目に付く程度だが、靴内部に湿気が残っているような感覚が増してくるし革も疲れているだろうなと考えてしまうので一週間乾燥の時間を置いて今回のメンテとした。

この靴は明るい黄色がかったブラウンのせいか汚れが結構目立つ。今回も左足の外側に得体の知れない汚れが付着してしまったのでコイツをどうにかしたい。水拭きだけでもいけそうだけど、今回もステインリムーバーを使ってメンテ。ステインリムーバーは革によくないとも聞くけれど、今の所問題はなさそうだし、使うと水拭きよりも古いクリームが落とせるから使っている。目に見える影響が出てくるまでは使っていくつもりでいる。



汚れが綺麗に落ちてスッキリ。
メンテ前の状態を見る限りでは、今回クリームを入れる必要があったかは微妙に思うけれど、まぁ酷使した後だし入れたクリームも極少量だし問題はないと思ううことにする。



02DRは出張中に雨に降られてずぶ濡れに。翌朝にはキャップ部分を中心に塩が吹き出してしまった。靴のメンテ道具は馬毛ブラシしかなく、ホテルにあったコットンパフを水で濡らし何度も塩が浮き上がってきた部分を濡らしては拭き取り、乾いたらブラッシングをしてなんとか目立たないようにさせて出張を乗り切った。ただ付け焼き刃的な処置でもあり、かなり酷使してしまったので少し念入りにメンテすることに。
塩が浮き出たこともあり、濡れ雑巾で拭った後に暫く濡れ雑巾を塩が浮き出たキャップ部分を中心に覆って水分を吸わせてみた。



塩が浮き出たラインの跡なのかクリームが部分的に落ちているような状態。この跡ステインリムーバーを念入りに掛けたらこの斑模様は無くなった。



割と綺麗に仕上がったように見えるけれど、よく見てみると…



キャップ部分にはまだ斑模様の跡が薄ら残り、左足のバンプ部分にも塩があらわに浮き出してきてしまった。
梅雨が終わってから水洗い決定。それまでは大事をとって戦力外にしておこう。



インバネスは随分久しぶりのメンテ。一時は登板頻度を上げたもののその後は左足の薬指付近の違和感が気になりだしたののと、太陽光の下だと右足バンプ部分の色抜けが目立つのと、屈曲時に生じるバンプ部分の擦れ跡が白くなっているのが気になって再び登板頻度が下がっている。2ヶ月に一度程度かな。無駄と判りながら色抜けしてグレーっぽく見える部分に補色してみようとメンテ。



クリームを入れる時は人工灯の下なのでそれなりに補色されたように見えるものの、強い太陽光に曝されると色落ちが透けて見えてしまう。
対策はもう一度染めることだろうか。
修理店に出すと高いから自分でやってみるのも良いかもしれない。ただ、履き心地に難が出始めているのでどうするかの結論は先送り。


最近は手持ちの靴の足馴染みが進んだこともあって、クリームを入れる機会をなるべく少なくしたいという思いが大きくなってきている。それはクリーム(油分)を入れると革が柔らかくなるように思えるから。ある程度の油分は革の状態維持に必須だと思うものの、履くことによって油分はどれだけ失われるのか、失われた油分を補うのにどの程度のクリームが必要なのかと想像してみると、びしょ濡れにでもならない限りそうそう油分補充が必要になるケースは発生しないのではないかと思えてしまう。

常温での油の揮発は水とは違ってとてもゆっくりしたものだろうし、水に油は溶けないから水と一緒に蒸発?揮発?することもなさそうに思う。雨に降られて水がアッパーの表面を伝って流れ落ちる時や、靴底が濡れた時には油分が多少なりとも失われるとは思うのだが普通に履いている分には極々緩慢に揮発するのではないだろうか。その揮発がどの程度の速度なのかははっきりとは判らないけど、いつものメンテで塗り伸ばしているクリームの量と比較すると、感覚的にだが、少なくとも数ヶ月、下手すると数年単位に匹敵するのではないだろうか。
もし仮に私の推測がそれなりの良い線をついていた場合、クリーナーで表面の油分をメンテの度に取り除いたとしても、革内部の油分は飽和状態になってしまうのではないだろうか。油分が飽和状態の革を想像すると、柔らかくなりそうに思えてしまう。
そんな根拠のない推測と感覚が何となく頭の中にあって、馴染んだあとはその状態を維持したいから、クリームを入れてクタクタと柔らかい状態にならないようにとクリームは最小限にと勝手に思っている。

さて、次は雨のスタメン達を纏めて。





どちらの靴もすっかり足に馴染んで段々と良い感じに変化しているように思う。味が出てきたと言ったら笑われそうだが、皺の状態や靴の佇まいから表革とはまた違う良い趣きを感じるのだが、持ち主の贔屓目かな。



33ERはサイズ大きめのせいか皺が多めだけど、皺自体はかなり細かくなった。これは良い方向の経年変化だと思うのだが…。





これで本格的な梅雨への備えは万全?かな。31ER②は魚の目が完治した後も拇指丘に違和感を感じるので残念だけど手放そうと考えている。考えてはいるものの名残おしく、スペースがある内はとまだ手元に残している。

この2足は私の手持ちの靴の中でも古い方なのだが、アッパーの縫製の糸がほつれたり、切れてしまった箇所がいくつかある。原因は経年もあるだろうけど、ブラッシングのし過ぎかもとも思っている。





33ERは甲を覆うストラップが付いているパート(名称を知らないw)の糸が解れてしまい左足は部分的に切れてしまった。31ERは右足の閂の糸が解れてしまった。次回何かしら修理に出す機会についでに修理してもらうつもり。
解れや欠損の原因かもしれないブラッシングをやめるとか控えるつもりはない。縫製の糸は修理できるけど革の修理は難しいから。



このゴム底の靴達は世間で言う”ガラス革”に属すると思われる加工革。先日コミュニティーや鈴木さんのブログでガラス革にクリームは意味があるのかという話があがっていた。
意味が無い理由は、加工革は表面に樹脂がありクリームを塗っても浸透しないからというものらしい。

確かに、2504のような革の素材自体が硬く、表面の樹脂も厚そうな加工革だとそう思うのも無理はないけど、私のこの靴達の場合は大いに意味があると自信を持って言える。この革は水も油も浸透すると。

雨に濡れれば表革と同じようにキャップが部分的にポコポコ膨れるし、クリームやオイルを入れれば硬くなったりかさついた革がしなやかになりしっとりする。

私の勝手な思い込みでは、ガラス革でも浸透の程度に差はあっても浸透しないことはないだろうと思う。だからクリームは適度に入れた方が良いに1票。
たとえ浸透しなくても綺麗になるし。

樹脂といえば銀付き革でも染めた後は色止めとして樹脂を塗布してるはず。樹脂があるから浸透しないという根拠はどんなものなのか少し興味がある。
加工革の加工方法や樹脂の種類、程度などは革によって異なりそうに思うけど、どれも一様に浸透しないのだろうか。

クリーム使ってメンテした時に、何の効果も無いと感じるならクリームを使う必要は無いと思うし、綺麗になるとか何かしら効果があると感じるところがあるのならクリームを使い続けてみるというのも一つの方法ではないだろうか。

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