2017年11月5日日曜日

靴のお手入れ 2017/11/05


今夜のお手入れは04MR。
履き下ろしから1か月経過した。
天候にはそれなりに気を遣って雨に遭遇しないようにしているつもりだったが、それ程強くないとは言え既に2回ほど雨に遭遇。履き下ろしてから10回弱登板したこともありメンテすることにした。








メンテ内容
・濡れ雑巾で水拭き
・デリケートクリームを塗りこむ
・濡れ雑巾で水拭き
・乾燥後クレム1925黒をペネトレイトブラシで塗布
・クリームの浸透を待ちながらライニングとインソールにデリケートクリームを塗りこむ
・化繊ブラシでブラッシング
・アウトソールにソールコンディショナーを塗りこむ
・カラ拭き(アッパーとソール共に)
・馬毛ブラシでブラッシング
・カラ拭き

二つの台風の影響もあり履き込んだという程でもないものの、幾度か終日着用したのと2回軽く雨に曝してしまったのでソールのメンテも兼ねてアッパーにもライニングにもクリームを入れた。




水拭きとデリケートクリーム後の水拭きで雑巾がかなり黒くなったのでこの靴もステインリムーバーの使用は見送った。
アッパーはまだクリームの必要があるか微妙な感じだが、雨に降られたことと10回弱の着用で擦り傷も幾つかできてしまった為、薄塗りで対処するつもり。



デリケートクリームを塗りこんだ後に水拭きしてカラ拭きした様子。この状態でも私的には十分に綺麗。ブラッシングと乾拭きでは消えない擦り跡はよく見るとまだ残っている。



クレム1925をウエルト中心に塗布してアッパーは極薄く。
片足米粒半粒程度だろうか。
革への浸透を待つ間にライニングや腰革にデリケートクリームを入れ乾燥させる。
デリケートクリームが乾いたらキーパーをセットして化繊ブラシでブラッシング。
いつもはこの後カラ拭きだが、今回はソールにコンディショナーを入れる。
金曜日の帰りに雨に降られソールが軽く濡れたのでデリケートクリームを入れておいたのだが、もう乾いていそうなので多少多めにコンディショナーを塗りこむ。ソールに気を遣い続けられるか不安だけどこれで2回は続けられたw。ステインが残っている踏まず付近などは浸透に時間がかかるので塗り終わったらアッパーのクリーム拭き取りに掛かる。
今回はコバ部分も含めかなり真剣にクリーム落としのカラ拭きをした。極薄塗りでもかなりしっかりカラ拭きしないといつまでも布が黒くなる。塗ったクリームが全て取れているんじゃないかと思うほどしつこくカラ拭き。
このあと更に馬毛ブラシでしつこくブラッシングしてもう一度カラ拭き。このカラ拭きでまたクリームが取れるので入念に。
この後ソールに塗りこんだコンディショナーが浸透したのを見計らってカラ拭き。棒やビンなどで毛羽を寝かすと良いと聞くけど先週もソールメンテしたばかりで型崩れしたらいやだなと思い、今回はカラ拭きのみ。
最後に紐を新品の76cm丸紐に変えて完了。


履き下ろし後それほど経過していないけど、足に慣らす為に毎回ギチギチに締め上げているため紐自体も大分痛んできていたのと、購入時についていた紐が少し長すぎるようなので、短めのものに変更した。丸紐しか短めの紐がなかったからこれにしたけど、丸紐だと締め上げたとき甲が痛くなり易い印象があるから少し憂鬱。今度リーガルシューズで平紐の短い奴も調達しておこう。

紐をギチギチに締め上げて終日履いていると甲の出っ張っている骨が痛くなる。馴染んでいない靴だと(私の場合は)普通のことなんだけど、この靴は痛みを緩和させる為に紐を緩めると踵がついてこないので履き心地が随分と悪化していまうのが難点。
紐を数分緩めて痛みが緩和したらギチギチまでは絞めないけど踵が抜けない(多少抜け気味だが)程度にかなりキツメに締めるようにしている。馴染みが進んでギチギチに絞めても甲が痛くなくなればこの難点は解消する(はず)と思っている。

甲の出っ張っている骨の他に左足の薬指に痛みが出始めた。芯に入っていて当たる感覚があって多少心配していたが現実化してしまった。
着用から12時間以上経過して足が大きくなってきた時間帯に、足を屈曲させると薬指の第二関節あたりが上から芯に押される感じで痛いのと、屈曲後薬指の先端が靴の先端を突くような状態になって指先と爪が痛い状態。
左足の方が右足より小さい筈なのに何故左足薬指に痛みや違和感があるのか不思議だったのだが、色々考えて一つの可能性に思い当たった。

それは私の歩き癖によるものではないかと。

3085SFの踵の減り方の左右差や03DRや33ERのソール消耗度合いの左右差、この04MRのソール消耗具合の左右差に気付いて歩行時や直立時の体重、荷重の掛け具合や歩行時の着地から蹴り出しまでの重心移動などを意識するようにしていたのだが、それらから今回の痛みの原因を考察してみた。

まず、ソールや踵の減り具合から伺える私の歩き癖。
右足の方がソールの消耗が激しいので恐らく右足が利き足。
左足の方が踵外側の消耗が激しいので、着地時に左足の方が足が開き気味。
左足のソール内側付近(拇指丘から親指にかけての出し縫い近辺)が減らないので、左足は重心が外倒気味。
上記のソール内側付近が減らないことと、左足爪先の減り方が外側寄りなので、左足の蹴り出しは左斜め前に蹴り出している傾向がありそう。
ざっとこんな感じだろうか。

04MRの皺入れ時には歩き癖など気にせずに屈曲させたのだが、これが今回の薬指の違和感に影響しているように思える。
薬指に痛みが出てから色々と痛くない歩き方を探してみた。まず、靴の中で指を曲げてみた。が、かなり大きく指を曲げないと回避できない。中途半端に指を丸めても芯が薬指を上から押してくるので伸びでしまうからだ。非常に歩きにくい。3029SFで感じている左足薬指の痛みもきっとこれと似たような原理で発生しているのはではないかと思う。今度履いた時に考察してみよう。
次に歩行時の左足の屈曲度を緩くしてみた。痛みの度合いは少なくなったがビッコを引くような歩き方になってしまう。いかにも新品の靴で靴擦れして苦しんでます的な歩き方になってしまい好ましくない。結局この日は痛みの出ない歩き方は見つけられなかった。

履き下ろしから今までは発生せず、今になって出てきた痛み。馴染みが進んできたことも一因だろうし、歩き方を意識して重心や蹴り出し方を変えていることも一因だろう。馴染みが進んでフッドベッドがより深くなれば芯に押される度合いも減っていくだろうし、そうなれば歩き方を意識して変えてもあまり痛みは出なくなるはず。ある程度馴染みが進むまでは左足の蹴り出しを少し外側(親指で蹴り出すのではなく薬指から小指で蹴り出すイメージ)にしたら痛みは緩和されるのではないか。

直近の登板時(雨に降られた金曜日)には上記の通り、主に蹴り出しを意識してみた。家を出る履き始めにはジョイントにタイト感が多少ある程度で屈曲させても苦痛はない。右足はすこぶる快調。左足は親指で蹴り出しても薬指が当たる感覚はあるが痛まない。午後にに締め上げた紐のせいで甲が痛くなったが紐を少しだけ緩めて凌ぐ。帰宅途中に薬指が当たる感覚が増してきたので色々と試して見る。親指で蹴り出そうとすると薬指が圧迫される。蹴り出しを少し外側にしてみると圧迫と痛みはほとんど出なくなった。歩き方を意識せずに足なりに歩けば痛みは出ないことがわかった。これで何とか履き込みを継続できそうだ。

サイズを01DRよりハーフ下げていることとまだあまり馴染んでいないことで、踵は別にしてジョイントや爪先にはほとんど空間的余裕がない。最初の皺入れで外へ向けての蹴り出す私の歩き癖に対応した皺が入り、その後蹴り出しの方向を変えようとしたが一度入った皺は変わりようもなく、余分なスペースもほとんど無いため、最初の屈曲に対応した皺で新しい屈曲の仕方をすると皺に矛盾が生じてそのしわ寄せが偶々薬指への負荷として現れたということなのではないかと思っている。

ハーフサイズ下げの25というサイズが足にあっているのかどうか、判断するにはもう少し時間をかける必要がありそうだ。
同じサイズ25で履いている同木型、内羽根ゴム底の02KRは履き下ろし後10ヶ月を経過したのだが、厚めの靴下を履いても指先やジョイント部分に余裕を感じる位に馴染んでいる。
25.5で履いている01DRシリーズ3足は馴染むまで一年半から2年程度掛かったから、この04MRも馴染むまでには同様の時間が必要なのだろう。01DRよりタイト目で、履き下ろし後の馴染み方は明らかに早いと感じているから一年程度で馴染んでくれるかもしれない。

サイズ25で履くこのラストは甲のフィット感がとても気持ち良い。踵にフィット感のある内羽根の01DRシリーズでサイズ25を履き慣らしてみたいという気持ちが日増しに強くなっている。
だが革底の04MRで馴染んだ時に甲や指先がどのような具合かを確認してからの方が良いだろうと思えて自重している。
このラストのジャストサイズは25と25.5の中間という可能性もあると考えていたけれど、サイズ25の02KRは馴染んで、踵以外の部分は心地良い履き心地、歩き心地になってきた(踵を気にしなけれ全く問題はない)。デザインの違いのみならず、個体ごとでの履き心地の違いはあるにせよ01DRでも馴染んだら心地良い履き心地になる可能性は高いと考えていたが今回の04MRの薬指の不具合でもう少し判断に時間を掛けた方が良いと思うようになった。失敗したくないので。

多分この01DRシリーズのラストナンバーは♯293だろうと思うのだけど、気付いたらこのラストで既に5足も所有している。一週間のビジネスシーンをこのラストだけで廻せるのにまだ買い足そうとしている自分がいる。他にも履いてみたい靴は色々あるのに、より深くこのラストに首を突っ込もうとしている自分に呆れる感もあるが、そういう性分だから自分ならそうしても不思議はないとも感じる。KRシリーズの終売がかなり先になった場合にはゴム底もこのラストで揃えてしまうような気もして、自分でもどうするのか、どうなるのか興味深い所。


この04MRは私にとって初めての外羽根プレーントウなのだけど、履いてみて感じた印象はシンプルで自然な美しさ。
トウの形状と素材、そして皺の入り方が外羽根プレーントウの表情そのものになり、自由奔放に靴と履き手をそのまま映し出すように感じている。
皺の入り方は履き手の足の形状、歩き方、サイズ選びの傾向を如実に表しているし、少しの擦り傷や埃でもよく目立ってしまうプレーントウは履き手の靴との接し方を最も顕著に現してしまうように思う。
外羽根プレーントウに比べると、皺の入らない(入り難い)キャップがあり、外から強制的に押さえ込まれているような雰囲気のある内羽根で造られたストレートチップは人工的に矯正された礼儀正しさのようなものを醸し出し、それがフォーマルの場に相応しいとされる所以なのだろうとこの靴を履き始めてから感じられるようになった。
このように感じる私の感覚からすると、冠婚葬祭で外羽根プレーントウはあまり相応しくないとされているのも頷けるようになった。
履いてこそ感じることができること、或いは履かなければ解らないことって、サイズ選び以外にも実は多いのかも知れない。

手入れが最もし易く、適応範囲が広いから革靴の一足目としてお薦めされる事が多い外羽根プレーントウだけど、私が実際に履いてみた印象では、最も強く履き手を表現してしまう上に、最もシンプルなデザインなので、最も履きこなすのが難しい靴なのではないかと思う。

そしてこの靴を履くようになって、プレーンなトウが時には鈍く、時には鋭く輝く様が良いなぁと感じながら、随分前にShoe*さんのプレーントウの記事でプレーントウについて”水面のような輝き、黒い宝石のような輝き”と表現されていた事を想い出し、言い得て妙とはこのことかと思った次第。そんな美しさを強烈には訴えてこない所はプレーントウならではの魅力なのかもしれない。

ラストから来るトウの形状、ベガノカーフの深い輝き、4アイレットが醸し出す上品な雰囲気など見た目はとても良いと感じている。あとは履き心地だけれど、こればかりは付き合ってみないことには解らない。今の所、薬指の問題をクリアできたら甲の部分はとても良い履き心地になりそう。この靴との真剣な対話がこれから佳境を迎えそうで大いに楽しみだ。

2 件のコメント:

  1. 革靴2足目の小僧2017年11月10日 13:10

    はじめまして。
    来春から新社会人になる小僧です。
    本日、04MRを購入し、ヤハズコバって何だろうと思って検索したところ、貴方のブログに出会いました。
    04MRの詳しいレビューありがとうございます。
    まだまだ知識も浅く、学ぶことが多いのでとりあえず04MRの記事は全て読んでいきたいと思います。
    人生2足目の革靴で背伸びした感は否めませんが、靴は昔から好きなので大切にしたいと考えています。
    1つだけ質問をしたいのですが、やはり履き下ろす時は、室内で履いたほうがいいでしょうか?クリーム系のケアはしようと思っていたのですが…
    初の革底で、返りがまだ馴染んでいなくて、コンクリートに爪先を打ち付けるようなことだけは避けたいです…
    稚拙な文章ですみません、これからも投稿頑張ってください。楽しみにしています。

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    1. コメントありがとうございます。

      就職決定と04MRご購入おめでとうごさいます。
      4月から仕事に集中するには今時分から徐々に履いて馴染ませておくと丁度よさそうですね。私の入社前とは大違いです。
      社会人生活全てで靴を楽しめるとは羨ましい限りです。

      さて、室内履きについてですが、予め馴染ませるのは決して必須ではないと私は思っています。
      勿論やるに越したことはありません。やって悪い影響はまず無いです。ですので持ち主が、「やりたい」「やった方が良いかも」と思っているなら後で後悔しないようにやることをお薦めします。

      私の場合は、以前自分なりに丁度良さそうなサイズを選んだのに馴染んだら緩くなって履かなくなってしまった失敗から最近はタイトなサイズを選んでおり、ある程度馴染ませないと外で終日履いているにはしんどいので室内履きで馴染ませ、馴染みを良くする為にクリームを入れたりしています。(クリームは他の目的もありますが)

      爪先は底の返りが良くなるまでは減りが早いといわれます。室内履きで返りを少し付けてから履き下ろしても遅かれ早かれ減ります。減りの早さは人によっても違うようです。

      初めての革底ということでご不安もあると思いますが、爪先の削れ具合に注意して、ウエルトに到達するまえに修理に出すようにさえすれば致命傷にはならないと思います。私はヤハズの峰を越るか越えないかぐらいで修理してます。

      私も革靴については駆け出しで経験を積んでいる最中ですので間違っているかも知れませんが、今の私はそのように考えています。
      失敗迷走録のような拙いブログですが、これからも偶に覗いて貰えるとうれしいです。

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