2017年11月12日日曜日

オールソール ~リーガル純正修理~


オールソールに出していた03DRが戻ってきた。

11月6日に到着連絡があったので修理期間は約1ヶ月。爪先修理と比べて作業はこちらの方が色々大変そうだが、期間としては大差ない。
今回はソール張り替え以外の付帯修理は発生せず金額は16,200円だった。

預ける時にお願いしたウエルト残しとソール返却は残念ながらどちらも実現しなかった。
既に修理プロセスが確立している規模の大きな企業に、プロセスから外れるイレギュラーな対応を求めても、イレギュラーなリクエストに応えることで、対応のために負うリスクと余分な工数以上のメリットがあると企業側が判断しなければ対応しないのが道理。
リウエルトやソール返却の要望が増えたら実現されることがあるかも知れないが、あまりこういう要望はないのかもしれないし、或いは既に企業内でやらないと決断されていることも考えられる。
個人の趣味から外れて仕事として今回の対応を見た場合、細かいことを言うと剥がしたソールを返却しませんというのは少しリスキーかも。受付時に明言して同意していないと返却要求があったときに所有権云々で分が悪くなりそうな気がする。余計なお世話だな。




オールソールされるとサイズ表記の刻印がなくなるようだ。店員さんが言うにはこのサイズ表記の有無でオールソール済みか否か判断できるとのこと。



踵も当然のことながら新品。


中底はオリジナルを残してくれた。
オールソールしてフットベッドがどのような感じになるか興味深い所。
余談だけど中底についた足型の黒い跡を見るとこのサイズが適正サイズかもと思う。ハーフ下げのサイズ25に残る黒い跡では小指が半分ソールからはみ出しているような感じ。



半敷というのかソックシートというのかわからないけれど、リーガルロゴがあるインソール部分は新品に。すべり革は大分擦れて一部がスエードのように起毛している状態だけれど補修の提案もなく、継続使用に問題ないと判断されたようだ。




爪先は反り返っているように見えなくもない。そうだとしたら最初は消耗がより早いかも。











改めて靴底をよく見てみるととても立体的な形状をしていることに驚いた。履き心地とフィット感ばかりを気にして、ソールについては見れども観えずだった。このような立体的な形状には理由があるはずなので、今度調べたり聞いたりしてみよう。


踏まず付近の皺はオールソールしてもあまり変化はなかった。




幾つかの皺や筋のような跡が、オールソールで靴に掛かったであろう負荷を窺わせる。



靴紐は平紐の新品にに交換してくれたが、靴のそこここに残る指の跡と思われるものを取り去ろうとカラ拭きしていて何かを見付けた。作業中のラッピングの名残かな。


一カ所コバのインク剥がれが。
輸送中にでも剥がれてしまったのだろう。

初めての革底のオールソールをしてみたが、靴全体が立体感を取り戻して履き下ろし時の雰囲気を彷彿とさせる素晴らしい出来栄えだと思う。オールソール自体あまり経験がなくリーガル以外に頼むとどうなのかは知らないけれど私としては十分満足。
作業してくれた職人さんに感謝。

さて、靴底が新しくなって心機一転。
履き馴染んだアッパーと真新しいソールがチグハグな感じもするけど、修理前より愛着が強くなった。新しい靴を買うのも高揚感があって良いが、修理するのも靴との付き合いがより深まる感覚があって良い。
ソールを変えたここからがこの靴の履き心地の本領発揮なのだろう。ソールにも気を配りながらじっくりと靴との対話を続けて行きたいと思う。

さて、アッパーもソールに負けないように綺麗に手入れするとしよう。

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