2017年1月8日日曜日

独り言 ~REGAL 02KRBH 履き下ろし~

明けましておめでとうございます。

今年の正月休暇はカレンダーの都合上あまり大型連休にならない人が多かったのではないだろうか。私も三が日が明けたら出勤していた口。年末とは打ってかわり仕事始めの週は綺麗な靴を履いているサラリーマンが多かったことが印象的だった。特に下ろしたての靴によく遭遇した。



私もそんな方々と同じく仕事始めに新品の靴を履き下ろした。年末に購入した02KRBH。室内履きを15時間程度こなして終日の着用に耐えられると思えるまでに馴染ませてからの履き下ろしだったからそれ程新品感はなかったかも。


室内履きで6時間程馴染ませた後に屈曲させて皺入れ。その後はスクワットや屈伸運動をしたりして靴底の返りをよくさせるようにした。室内履きの前半は中物を沈ませるのと窮屈なボールジョイント付近を馴染ませるのが目的。後半は皺入れと靴底に返り癖を付けるのが目的。前半は負荷を大きくする為に子供を負ぶったり、後半はこれでもかと屈曲させた。

いつもよりハーフサイズ下げのこの靴。右足のボールジョイント幅がかなりタイト。ボールジョイント幅としてはハーフサイズ上のインバネスやブリストルに近いかも。足入れした当初は大袈裟に言えば靴の中で足がグーしているような状態なのだが、柔らかい靴底が徐々に沈むに連れて普通の状態になってくる。インバネスに比べるとハーフサイズ下げでもキャップのカーブの始まりが爪先寄りにあるのか、なだらかなのか左足薬指が触れている程度の感覚で特に苦痛はない。最初は一時間程度履いていないとタイト感が薄れなかったが、毎日一時間程度はき続けるうちに15分程度でタイトなものの問題ない状態になるまでになってきた。きっと甲革も少しづつ伸びているのだろう。

3085SFは20時間以上室内履きを続けてもなかなか馴染みが進まなかったが、それと比べると馴染みは断然早い。30ERシリーズでは室内履きでの馴染ませはしていないので純粋に比較できないけれど、数回の着用で馴染む感覚があったので足馴染みが早いという傾向は似ていると思う。

02KRの甲革は程良い厚みがありながらしなやかな感触の革。乾拭きしてもしっかりした感触がありながらしなやかさを感じるので私としては好印象。皺は現時点では、わりとざっくり入る感じ。心配したほど大味ではなくて一安心。





銀面の凹凸感が強めなので日光の下や蛍光灯の下でもあまりテカテカ光る感じはない。光沢感を好む方はワックスなどで少し化粧したり爪先を鏡面にしてメリハリ付けたりしたりするとよいかも。

踵のフィット感は相変わらず希薄。室内履きで屈曲させている限りでは、屈曲時に踵が少し浮く感じがした。羽根が閉じきる位にキツく締め上げてもその傾向にあまり変化はなかったが、終日着用した初日の後半には踵もついてくるようになった。

踏まず部分にある成型モールドは未だに違和感がある。履き始めは踵の少し手前を真下から押してくる感じなのだが、装着時間が長くなるにつれて徐々に中物が沈み、土踏まず部分も下から押されるようになってくる。押されている部分が前方に広がってくるイメージ。中底の前半分も中物の柔軟性が高いので足裏全体のフィット感は高い。高いが革底の靴達と比べると、フィット感は高いがしっかり感では劣る、柔らかいので。また、このモールドのせいか、踵の造形の為か、踵が浅く感じる上に食いつき感に乏しく、なんとなく落ち着かない。終日履いてあまり気にならない程度にはなったので、今後の慣れに期待。

あと少し気になるのが足裏の親指付け根の痛み。このエアローテーションシステム搭載の靴共通の現象として、中物の端にあるリブのようなものの折れ方(つぶれ方)によって足裏に違和感が発生することがあるそうな。そのせいか靴底の形状せいか、親指付け根の一部に異物感と痛みがある。

違和感の原因かもしれない靴底の段差。
わかりにくいかも。



31ER②でも左足の親指付け根裏側に同じような違和感があるから中物のせいかもしれないとも思うが断定は難しい。馴染んでいって気にならないように変化してくれることを祈るのみ。

まだ一日だけだけど、なんとなくこの靴の履き心地の将来が見えて来始めているような気がする。雨天での適正とメンテナンス難度や耐久性などはこれからだけれども、靴の雰囲気と革の質感はリーガルのこの価格帯としては良いと思う。履き心地は一年程度履かないときっと解らないと思うものの今の所、それ程悪くないと思っている。馴染んだらとても良いに化けてくれる事を期待。

01DRの木型を使い、エアローテーションシステムの不人気点を一部改善し、表革を載せてリリースしたこのモデル。よく考えてみると実はかなり気合いの入ったモデルなのではないだろうか。
あまり革靴に興味の無いビジネスマンに向け、蒸れ、疲労、前滑り対策を施した、雨をそれ程気にせず履けるゴム底で、所謂リーガルのイメージとは異なる洗練され落ち着いた雰囲気の形状で、表革を載せてこの価格です、と訴求したら興味を示す人も多いのではないだろうか。
また、似たような雰囲気を持つ01DRへのランクアップ商材にも使えるだろうし、色やデザインも豊富にラインナップされているからカバー範囲も広い。(既にUチップは廃番になってしまったが・・・)

クロージングでの課題は、試し履きで成型モールドの違和感を受け入れられるかと、馴染む課程での沈み込みの大きさをどの程度伝えられるかとそれを見越したサイズ選びを勧められるかだと思う。

タイトめゆったりめと好みの問題もあるけど、安易に中敷きを進めてくる販売員の人が多いように感じるから沈み込みとサイズ選びはあまり問題にはならないかな。ただそれをしないと高価格帯の靴へ誘うことが難しくなるように思えてしまうし、売りのエアローテーション機能をほぼ殺すことになると思うのだが、余計なお世話か。

01DRの木型を使ったモデルが増えるのは01DR好きの一人として何となく嬉しい。そしてポンプ色の変更を要望していた自分としては、それが実現されたモデルということも購入の一因になった。言いっぱなしは好みではないので。

要望実現と言えば、01DRシリーズにプレーントウが遂に追加にになった!
リーガルさん、ありがとう!
まだHPや公式販売ページにも掲載されていないけど、店頭に並べられていたのを発見してかなり興奮した。型番は04MRとなっていて4穴のちょっとブリティッシュな感じのプレーントウだった。甲革は同じベガノのように見え、コバ処理や本底等は01DRと同じだった。リーガルTokyoのブログでも意見はドンドン出して下さい的なことが書いてあったので、消費者の要望に耳を傾ける傾向が強くなってきているのかも知れない。会社にはリスクもあるけれど消費者の私には嬉しい傾向。

さて、プレーントウがリリースされたとあっては、今年の靴用原資の振り分けを再検討しなくては。修理を後回しにするか退役させるか、今年購入予定の靴を来年に回すか、04MRを来年に回すか、そもそも靴揃え計画そのものから再検討しなおす必要もあるな。うーむ、悩ましい。

4 件のコメント:

  1. こんにちは。
    以前から気になっていたエントリーです。

    このシリーズではないのですが、33ERとW03A(スワールモンク)を持っていました。
    ①Hayateさんも2016/3/12のエントリーでも書かれている通り、中物の沈み込みが激しく時間の経過と共にかなり緩めの靴となってしまいました。
    ※私の場合、一の甲が大きく、Hayateさんがされているように33ERのストラップをきつく締めることが出来ませんでした。
    ※無理して履いていましたが、歩く時に踵が脱げかけるものですから、その摩擦によってすべり革がボロボロになってしまいお蔵入りとなってしまいました。(笑)
    ②さらに、33ERは右足の二の甲あたりで、最初に変な皺が入ってしまい、アッパーが硬い頃には何度も靴に噛まれ足の甲は血まみれになっていました。(笑)
    ※私の場合、右足が少し小さい(特に二の甲)のも原因の一つだと思います。
    ③もう一つ、W03A(スワールモンク)では右足の親指の付け根の違和感。
    これには悩まされました。
    週二ペースで履いていたいため、一度ソール修理をしています。
    ただオールソール交換をしても、結局、この違和感は消えませんでした。
    W03Aを履き続けている内に、他の靴を履いても親指の違和感を感じるようになったため、二度目のソール交換はせずに、お蔵入りになりました。

    その後、後継機種(?)のKRシリーズでは、問題は発生せず快適に履いています。

    革自体はしっとりした感触で、Hayateさんも書かれていましたが、クリームが残りやすいですね。

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    1. チルットさん

      コメントありがとうございます。

      だいぶ前のエントリーですが。お読みいただいていたとは嬉しいです。

      エアローテーションの靴もかなり履き込んでいらっしゃるのですね。沈み込みに関してチルットさんも私と同様の感想をお持ちのようで、私特有の感覚ではないようで少し安心しました。
      33ERやW03Aなどに採用されているエアローテーションは沈み込みがびっくりするくらい大きいですよね。紐靴でもかなりサイズ選びが難しいのではないかとの思いは今でも変わりません。

      革底の靴をはじめとする所謂グッドイヤーウエルトの靴とは、同じグッドイヤーウエルトの”革靴”ではありますが、サイズ選びをする際には異なるジャンルの靴と思って試し履きをしたほうが後々幸せになれる確率が高いように思います。

      33ERは当初私も噛まれました。足馴染みが良いと感じる特性の革ですが、そんな革でも噛まれによる靴擦れが早く消えるようなイメージはあまりありません。硬い革と比べたら実際は早いのかもしれませんが。

      W03Aの親指付け根の違和感は噛まれではなく足裏の母指丘のことですよね。

      私も2足目の31ERで悩まされました。原因がリブのつぶれ具合によるものかは断定できませんがもう一足の31ERでは問題ないので、可能性は高いと思っています。

      オールソールしても足裏の違和感が改善されなかったとの貴重な情報ありがとうございます。

      一つ教えていただければと思うのですが、そのソール交換時にインソールはどうされましたか?

      アウトソールだけ交換の場合ひょっとしたらリブの折れ具合は修正されない場合もあるのではないかと思い当たりました。折れ癖が一度ついたら中物がたとえ交換された場合でも同じ場所から折れることが多いのではないかと。(皺と同様に折れた部分は弱くなり同じ場所で折れ易そうな気がします)

      とは言え、インソールを交換すれば違和感改善の見込みは高まるものの、再度同様の症状がでる可能性を排除できない所がちょっと切なく感じます。チルットさんはどちらのケースだったのでしょう。

      リブの形状と構成にもよるかとは思いますが、他のグッドイヤーウエルトの靴でも同様の症状は発生し得るようにも思えます、あまり耳にしませんが。。。

      踵の抜けに関してですが、この30ERシリーズは私の経験からすると踵大きめ、甲高めなことも影響しているのではないでしょうか。私の場合、31ERはすでに羽根閉じ切りで履いていますが、徐々に沈み込みが進んでいるのか甲の抑えが甘くなり、踵も食いつかないので屈曲時の踵の遊びが少しづつ大きくなってきています。33ERは31ERよりハーフサイズ大きいのでもっとひどいはずですが、甲はもとより、なぜが踵の緩さや遊びもあまり気になりません。靴自体が大きく歩き難さが先に立っているからかもしれません。

      KRシリーズでは沈み込みの分量は幾分改善されているように私は感じています。31ERから更にハーフサイズ落としているので若干条件が異なるので少し怪しいですが、これ以上は沈めないところまで沈んだようです。タイト目なので馴染む過程で否応なく限界まで沈んだ状態かと。インソール前半部分のエア循環用の穴を足裏に感じることに時折違和感を抱くことがありますが、その他は31ERより快適に感じています。
      木型、updateされたエアローテーションシステム、甲革、成形モールドなどが合わさって履き心地が良いと感じているようです。



      木型が合う合わないは履きこまないと本当のところがわからないのが、やっかいでもあり楽しみなところでもありますね。リーガルは毎シーズンいくつも新し木型が出てくるのでそのうち足に合う木型を使った靴が見つけられるかもしれないと期待しています。

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  2. こんにちは。

    31ER、33ERなどのシリーズの靴は、沈み込みが大きすぎるとの声が多かったそうで、それを改良したのがKRシリーズだと、以前、リーガルショップのスタッフの方から伺いました。

    W03Aの左足親指の付け根の違和感ですが、正確には親指の左側面と親指の付け根から親指にかけての足裏(指の腹)部分において発生していました。
    足を蹴り出す時にその部分に硬さを感じ、最後には痛みが走るようになりました。

    ソール交換の件ですが、インソールも交換しました。
    交換後、しばらくは違和感もなく快調でしたが、中物が沈み込むに従ってまた痛み始め、我慢して履いていたら、他の靴でも痛みが走るようになったため、お蔵入りとなりました。

    33ERでは、ゆるゆるになった以外、親指の違和感は全く出ませんでした。
    従って、構造的な原因ではないものの、靴自体のちょっとした「差」の影響を受けやすい作りなのではないでしょうか。
    リブ自体は見えないのでわかりませんが、先芯部のアッパー側面の革の個体差も影響しているのかも知れません。
    また、靴底の厚さ(左右への柔軟性)、全体的にそもそもちょっと大きめの造り、アッパーの革自体の厚みなども微妙に関係しているように思います。

    実は、私もKRシリーズでは1サイズ小さいものとしました。
    最初はキツメでしたが、今はジャストフィットしています。
    リーガルさんに直接尋ねたところ、KRシリーズは、ソール交換の時に革底にも変えられるそうです。
    DRシリーズに変身ですね。(笑)

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    1. 30ERシリーズは沈み込みが大きいというのが一般的な意見だったようですね。沈み込みが大きいと甲部分のサイズ選びは難しくなりますけど、足裏のフィット感は優れる傾向にあるように思うので一長一短なのかもしれません。

      靴底に感じる硬い部分、私も同様でした。その硬い部分が足裏に痛みを走らせ、一種の打撲のような症状になっていくように感じていました。他の靴を履いても痛みが走るようになり、それでも我慢して履いていたら、私の場合は魚の目になりました。

      インソールも交換されていたのですね。それでも再発してしまうとはやっかいですね。足入れではとても見極められませんね。

      KRシリーズはサイズ下げられましたか。小さめ(小さすぎないサイズ)を馴染ませるのはしんどいですが、馴染んだ後はかなり心地よくなりますよね。私の02KRも履きおろしから一年と少し経過して馴染みによる履き心地の変化は小さくなりましたが、この先どの程度まで緩くなる方向に変化していくのか興味を持って履き込んでいます。

      そうなんですよね。このシリーズは革底に張り替え可能なんですよね。私も購入前に同じ質問をリーガルの客相にしました。
      インソールのロゴもオリジナルとは違うものになると聞かされ、かなり興味をもっています。KRシリーズではなくとも一度オリジナルソールとは異なるソールにしてそのロゴを見てみたいなと思っています。
      30ERシリーズは底を変えるとしてもサビ底しか選べないといわれましたが、客相や店舗から工場に問い合わせてもらうと、オリジナル以外の底に張り替えられる靴もあるようです。

      最近、幾つかのリーガル店舗で靴底をダイナイトなどオリジナル以外のソールに張り替えるキャンペーンがあったりして、心惹かれました。こちらで変えた場合、インソールロゴがどうなるのかはわかりませんが、2236や2235などを買い足したら一足を雨用にリッジウェイにするのもよいなぁとも思ったりしています。(可能かは未確認です)

      このGWは結局3足しかメンテできずで消化不良気味ですw。修理も未だに混雑しているようでつま先修理を先送りしました。梅雨はまだですが、最近は雨続きで02KR、31ERなどのゴム底靴達が活躍しています。雨にはやっぱりゴム底がしっくり来ます、私には。

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