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2015年11月22日日曜日

ルーズヴェルト・ゲーム 池井戸潤

池井戸潤の他の作品に触れてみたくて、手に取る。

中小企業の社会人野球部と、中小企業自体が主人公の物語。

数字という明確なものを根拠とした企業経営。
一方、企業そのものは人間という数字では明確化できないものの集団。
理論と感情が交錯しながら、物事が進んでいく。

完全なハッピーエンドとはいかなかったけど、いつもの大逆転は健在。
やっぱり面白いなぁ。





2015年11月17日火曜日

下町ロケット2 ガウディ計画  池井戸潤

下町ロケットの続編を読了。

ストーリーは読んで頂くとして、人間と人間模様に焦点をあてたこの作者の作品はとても惹き付けられる。

一つの組織の中でも異なる考え、価値観が渦巻き、地位や名誉や金といったものに目がくらみ本来の目的を見失っている人々がいる一方、王道ともいえるような地に足のついた生き方を貫く人たち。小説の中だからこそハッピーエンドを信じて読み進むことができるが、いざ自分が窮地に陥ったらはたして折れないで踏ん張れるのか、自信がない。

勧善懲悪的な要素も読んで楽しさを感じる一因かもしれない。人間、いや人生、いや生き方についての理想を貫いていく主人公たちに共感を覚える。悪役で登場する人物や組織があまりに典型的な悪役過ぎるきらいあるようにも思うが、読み物としては楽しい。ここ最近でこの人の本を都合6冊程読んだことになるが、池波正太郎の剣客商売などに通じるものを感じた。

本やで売っていたら、他の著書も読んでみよう。


2015年11月15日日曜日

下町ロケット 池井戸潤

会社帰りに、電車の中で読む本を探しに本屋に立ち寄った時、目に止まり購入した。先日、半沢直樹シリーズを読んだことや、テレビで放映中で巷でも話題になっているとの噂を耳にしていたことも購入につながったかも。

題名から予測できる通り、下町の町工場が最先端の技術、最高の品質と精度が求められるロケットの打ち上げに関わって行く話。読み始めたら止められず、一晩で読了。

この人の小説面白い。描かれる人物像や人間関係はそれほど奇抜には感じないが、その分リアリティーがあって感情移入しやすいように思う。私は詳しくないけど、設定のしかたや複線のはり方にも違和感を感じないので、筆者に巧みに惹きこまれているのだと思う。

町工場がロケット部品を供給するまでの紆余曲折は物語のメインであり、それももちろん楽しいのだが、企業とは何か、人生とは何か、など再び考え直す機会にもなった。この人の作品、もう少し読み込んでみようかな。

読書は、やはり自分の滋養になる。最近は疎かにしがちで、財政的な余裕もあまりないけど、図書館も活用して再び読書を意識的に行っていくようにしようと思う。

印象に残った言葉
『何が正しいかは、あとになってみないとわからないさ。肝心なことは、後悔しないことだな。そのためには、全力をつくすしかない。』

2015年11月14日土曜日

覇王の番人 真保裕一

明智光秀を主人公とした物語。

上下巻千ページ近くあり読み応え充分。


巷の定説に対する疑問を著者が投げかけているかのような斬新な解釈。戦国から安土桃山にかけての出来事の流れはそれなりに理解していることもあり、あの場面はどうなるのかと興味が湧いたり、ここではこうなのか、へぇそうしてしまうのかとか、別な意味でも楽しめた。

歴史のとらえ方は、人それぞれだし立場によると思うが、勝者の言い分が強く伝わり、敗者の言い分は伝わらないというのは大いに共感するところだ。

歴史本の多くは勝者側の書いたもので、結果としてその歴史本が広報誌のような役割を果たす。

直近の祖国の敗戦後は昔の広報誌のような生易しいものとは異なる凄まじいことが行われ、その上で現在の一般的な歴史観がある。歴史感はひとそれぞれで結構だが、他人様が他人様の都合や目論見で造ったものでなく、出来事と推移から自主的に冷静に判断したいものだ。



2015年11月3日火曜日

俺たちバブル入行組 ~シリーズ読了~

テレビシリーズで人気を博した半沢直樹シリーズの原作。

著者 池井戸 潤

・俺たちバブル入行組
・俺たち花のバブル組
・ロスジェネ世代の逆襲
・銀翼のイカロス

テレビで放映されていた当時も家では(というより妻が)毎週見ていたので、私も録画で見ていた。テレビシリーズと原作とではディテールでは異なる部分があるように感じたが大筋では似たようなストーリー。

会社の同僚に原作本を貸してもらって3冊読了したが、文庫化されていない最新作は貸してくれる気配がなかったので、最新作を購入するついでにシリーズ全巻購入。再び全巻読了した。

私が感じるこのシリーズの魅力は、主人公である半沢直樹の生き様である。小説の舞台は銀行や証券会社で私にとっては縁遠い世界。描写されている仕事風景が現実的かはわからないが、人間模様はどこに行っても似たり寄ったりな為、自分の社会人経験からも共感できたりする場面が多々ある。

表題にある第一作は就職活動時代から始まっているので、最新作までで20年前後の月日が流れているように思う。丁度自分の年齢と重なる部分でもあり、立場は異なれど、身につまされることも多かった。

学生時代にもっていた大人への反発心に原点を発するような、おかしいことはおかしいと相手が誰であってもとことん突き詰めていく姿勢。今の私がかなり忘れてしまっているような単純だけど大切なことを思い出した。


・印象に残った言葉 (原作ママではないかも)

『仕事は顧客の為にするものだ』
『仕事の質は人生の質を左右する』