2022年8月14日日曜日

SHETLANDFOX 076F BRADFORD ~買いました~

 


ワードローブ再構築の第6弾はブラッドフォード。
靴はそろそろ十分だけど、何故か止まらない…。。



外羽根5穴プレーントウをいまだに探していて、ふと立ち寄ったファクトリーストアで目に付いた普通っぽいけどちょっと端正な佇まいのこの靴。
ちょうどサイズ8もありそうなので試着をお願いし、足入れしてみるとちょっとビックリ。足入れしたら、まず一の甲の低さにグッと心掴まれてしまう。
二の甲にかけての立ち上がりまでは私の足よりも低いくらいで(指の付け根あたりが上から押さえつけられている)、その後二の甲に向けて甲が立ち上がってく感じ。靴の甲の立ち上がりが私の足の甲より踵側のようで、足を入れるのが結構大変。二の甲三の甲は驚くほど低いわけではなく、インバネスよりやや高いかな程度で、紐をきつく締めても甲の出っ張った骨に当たる感じがない。レースステイ付近の甲のラインは私の足に合っているようだ。

ジョイント幅は私の足よりも数ミリ狭いみたい、ジョイントを締め付ける力がかなり強い。ボールガースも私の足よりやや小さいみたいで、キツイにやや近いタイトさ。でも不思議なことに指の苦痛がない。ジョイントタイトなら指もしんどくなるようなイメージがあるけれど、指は右足の小指がややつぶれ気味程度、痛みはなく、人差し指や中指は当たることもなく、上下には動かせる程度の空間がある。親指は一の甲が低いのであまり動かせる余裕はないが、最低限の必要な動きはできそう。親指を上に反らせると先端よりだいぶ手前で盛り上がるので、屈曲時に必要な捨て寸は大丈夫そう。

甲を締めあげると足裏と踏まず周辺にもフィット感が生まれ、よく聞く包み込まれるような感覚になる。足裏はおわん型の踵を含めほぼ全面にわたってフィット感があり、甲の外側内側ともに踏まず周辺から踝下あたりまでフィット感がある。特に内側の足裏土踏まずからカウンターにかけてのフィット感が気持ちよい。外側は内側に比べるとややフィット感が弱い印象だが、ジョイントの外側のタイトさが際立ちすぎているからかもしれない。履き口近辺の外側がやや緩い(というか触れる程度)かもという感じを除けば、ジョイントから踝下あたりまで外側もそっと足を包み込んでいる感覚はある。踵はインバネスに似た感じの大きさで、インバネスより上がすぼまっている感じがあり、やや深いように感じる。インバネスとはややヒールカーブが異なるが、この靴のカーブの方が私の踵の造形にあっているようで当たりはほぼなく、そっと押さえつけてくる感じ。履き口は少し大きめなのか、一番上の紐をキッチリ締めないと足首外側に少し余裕ができる。キッチリと紐を締めあげると、だいぶその余裕もなくなり、足首から2番目の紐と踵の後ろの一番膨らんでいる所の少し上くらいのところでキッチリ固定されるような感覚になり、踵の後ろのやや内側がかなり押されてちょっと痛いくらい。それだけ締めても、羽根の一番足首よりの隙間はまだ1センチ強ほどはありそうなので、閉じ切ることもまずなさそう。

ジョイント幅が狭すぎるかもしれないけれど、靴と足の間に余分な空間がほぼ感じられない。それでいて小指以外の指が当たるとか他の指の下に潜ってしまうというようなことがなく捨て寸も確保できていそう。私の足になんとまぁピッタリな、と足がスッポリはまり、心も胃袋も掴まれてしまったような状態。
甲の低さとジョイント幅の狭さはブリストルを彷彿とさせるが、この靴はサイズ8でこの状態なので、7ハーフで履いていたブリストルより、幅も長さも余裕がある。甲の高さは総じてブリストルのほうが低いかもしれない。
最近買った204Sと一の甲から二の甲にかけての低さは似ているように思う。204Sも一の甲が低くボールガースが足より小さくて、最初の2・3回は足がシンドかったが、今は沈んだのか伸びたのか、一の甲から二の甲にかけての低かった部分に少し余裕ができ、足が最初よりも足が少し奥に行けるようになったようで随分心地よい状態になっている。204Sは足指が非常に楽だが、この076Fは指回りはややタイトな感じで、親指小指はあまり動けず。真ん中の3本の指は上下左右に少し動けるという感じ。

そして踵。外羽根は内羽根に比べて踵が緩くなりがち。204Sも期待していたが、今は内羽根の03DRより食いが劣る印象で、やや抜け気味。紐をキッチリ締めて甲と踵にカチッとラインができて固定される気がするんだけど、実際に歩くとダブルソールでまだ返りが悪いせいなのか、固定されているはずのラインから踵が外れてしまう。この076Fは甲と踵の固定ラインから踵が抜けないと良いんだけどなぁ。深さもわりとあり、踵の上のすぼまりもインバネスよりありそうだし、抜ける感じにはならないんじゃないだろうか。ならないでほしい。きっと、ならないに違いない。。。
まぁ、実際履きならしてみないとわからないけど、期待はできそう。

懸念点は、足が浮腫む時間帯だと相当シンドいだろうこと。
試し履きしながら、履きならせる範囲のタイトさか、ギブアップするキツさなのか見極めるべく、少し長めの時間履かせてもらった。
試し履きした時間帯は足がやや小さめの状態。加えて、駅から店まで歩いているので、かなりスッキリした足の状態と考えた方が無難。
店員さんは盛んに褒めたり透かしたりして購入を進めてくるが、ここは慎重にならないと痛い思いをするので、流されることなく足の感覚に集中。結局、その日は結論を出さず、再訪することにした。

再訪時、電車で座り駅までなるべく足を動かさないようにし、訪問時間も夕方早めの時間帯にした。だいたいこの辺りの時間帯で甲がきつくなって紐を結びなおすことが多いので、その時間帯で再度試着。20分程履いていたけど、タイトとキツイの境目のような気がした。ただ、フランス製カーフとだけ情報のあるこの甲革は柔らかい感触なので、多分大丈夫じゃないかと履きならせそうな気がしてきた。
204Sも最初は一の甲付近が低すぎて足が奥に行かない感覚だったが、何度か履いて歩いたらだいぶ落ち着いたので、この靴も似たような馴染み方をするのではないだろうか。もし、夜の足が大きくなる時間帯のタイトさがどうしても駄目なら室内履きの時間を長めにとるか、昼間の足の小さい時間帯で積極的に歩いて馴染みを進めれば程よい加減までタイトさを軽減できるだろう。
手持ちの履ける靴は新しい靴ばっかりだけど、タイトな靴はないし数もそろってきているから、この靴の履きおろしに時間をかけても問題はない。

念の為ハーフ上の内羽根も履いてみた(外羽根はなかった)。羽根はほぼ閉じ切り、ジョイント幅ちょうど良い感じ。指も自由で、踵は動きそうだけどなんとか固定はできるだろうぐらいの感じ。厚めの靴下でオフにノンビリなら良さそうだけど、羽根閉じ切るのが見えているし何より初めて足入れしたときのあの感動がない。

ということで、修行を覚悟でサイズ26をお買い上げ。


インバネスの外羽根と同じく切り返しの落としどころが大きく踵にかかっている。
ヒールはやや深めでヒールカーブも見て取れる。
        

靴内の印字取り忘れてしまったが、2018年11月生産の靴。店員さんに結構煽られたけど発売開始から間もないころに生産されたペアってことだから、3年以上売れていなかったことになる。
そして反対側の結構高い位置にリジェクト品を示すNマーク。


真後ろから見るとあまり絞られているようには見えない踵。
それでもそこそこ食いついてくれそうに思って(祈って)いる。



羽根の付け根の最も爪先よりの下側の止め方、初めてみた。
内羽根の閂を止めてるように両側とも縫い付けてある。


峰は内側に寄っている。
つま先は少し膨らんでいるものの、ボッテリという感じはあまりしない。
このボッテリのおかげて親指が少し動けるだけの空間ができているように思う。


シェットランドフォックスのブログを見ると、ブラッドフォードはアバディーンと比べられる細身の靴らしいということがわかった(この靴は存在すら最近まで知らなかった)。アバディーンはロングな靴だから、この靴もロングだけど爪先を丸くしたアバディーンと似た靴なのかと思っていた。でも実物はややロングくらいの長さで、01DRとほぼ同じかやや短いくらい。上から見るとジョイントが張り出しているように見えるけど、これでも私にはやや狭い。逆に踵から羽根にかけての狭さがわかりやすいかもしれない。
ツリーはシェットランドフォックス純正のLサイズ。新しい294の方を買ってきた。
シェットランドフォックスの店員さんにブラッドフォードの話をしたら、色々難しい靴(多分フィッティングが)で普段履いているシェットランドフォックスの靴よりハーフサイズ上で履く人が多いとのこと。
やっぱり、横幅が狭いのがハーフ上げる理由なんだろうな。でも甲はそれほど低くもないからハーフ上げると羽根閉じ切りが頻発しそうな予感。おそらくそれでフィッティングが難しいという状態になってしまうのだろうと勝手に推測。
JIS規格の足長に対するジョイントの足幅とジョイントの足囲がDとか2Eとかっていう規格で規定されているけど、本当に2E表記されている靴はみな足幅と足囲が一緒なのか甚だ疑問に思う。



アウトソールは伏せ溝でツートン仕上げになっているんだけど、中底替えなしのオールソール単体で税抜き2.2万と聞いて、早速ゴムを張った。この靴がリジェクト品になった理由の一つに、つま先の伏せ溝を伏せた部分が波打っていたことがあったんだけど、隠れてしまった。



リジェクト理由のもう一つっぽいのが、この筋。
見えにくいけど、傷なのかへこみなのか不明。手入れしても膨らまないし消えないけど、白くなっている訳でもないので、銀面で留まった傷か、何かの角で強めに押してしまったのかも。


リジェクト理由っぽいものの最後。
これはメンテ中に気付いたのだが、なにやらモッコリしている部分がある。


もう片方の靴は普通に平面なので、このモッコリも原因なのかもしれない。

まぁ難あり訳アリの靴だから安く売っているのだけど、靴としての機能は問題なさそうだし見た目もよく目を凝らさないとわからないレベルっぽいので、気にならないでしょう。メンテ時にNマークが目に入って思い出すくらいかな。




ツリーいれているから一の甲から二の甲にかけてちょっとボワッとしているけど、抜いているともう少し凹んでいる。ツリーよりそのあたりは低いってことなのか。




メンテはいつも通り、リムーバー、デリクリ、クレム。
フランス製カーフとだけ情報のあるこの甲革。肌理はカーフらしく細かい。
すっぴんでも艶があり、クリーム載せても光り方はあまり変わらない。
水拭きやリムーバーなど、水分を含んだ時に拭うと割と色落ちする革みたい。最初ボカルーを思い出したけど、水分やクリームの吸い込み具合がボカルーとは違う。クリームはあまり入っていかない感触。ゆっくりと染み込むみたい。水分の染み込みは黒の革にしてはわかりやすいような気がする。染み込んだところは表面の肌理が粗くなってあまり光らなくなる。雨耐性はどうだろう。水で銀面の変化が激しいボカルーが雨に降られてグシャグシャになった表情は目を背けたくなるほどだったが、この革はそれほどでもないといいなぁ。

色落ちして布に付着してくる黒色は赤系なのか青系なのか判定が微妙な色の黒。ボカルーほど盛大に色落ちするわけではないけれど、拭って色落ちする革ってメンテ時に気になるからあまり好みじゃないが、しかたない。慣れよう。

さて、履きならせるか、どんな履き心地になるか楽しみ。
タイトな靴を履くと、他の靴を緩く感じてしまうことが多いのが難点だけど、この靴を履き慣らせたら、ブリストルより快適でフィット感に優れた靴になりそうに思う。というかなってほしい。ブリストルももう履けないっぽいから。
快適でフィット感に優れた靴にするまでにはある程度の修行が必要なことは否めない。タイト過ぎないかという不安感が残るのも確かだが、足のサイズが変わってからタイトではない靴を好んで選んでいる中で、大変そうだけど履きならして見たい、履きならしてやるって思わせてくれた靴だし、シェットランドフォックスの店員さんにほかのSFの靴と同じサイズで履きならした所を何気なく見せたらどんな顔するのか見たいという思いもあるから、履きならす意思は相当に固い。
私は自分の足よりやや小さいやや押されているような状態で心地よいフィット感を感じているようなのだが、この靴は長さと指先の寸は確保されており、紐の縛り方次第でフィット感を感じる頃合いに甲周辺の大きさを調節でき、踵も固定できそう。タイトに感じている幅さえ慣らすことができれば、フィット感にあふれる靴になることもあり得ると思える靴なので、期待は膨らみなんとかして履き慣らしたい。

今までは踵や甲が緩い時にサイズを落とすことでフィットさせようとしていたけど、そういうケースでは長さが足りなくなって指が当たってしまったり、小指や指先周りが狭くなりすぎてしまうという弊害に苦しむことが多かった。だが、この靴はそもそもの長さが足りているという点で足指周りのリスクが低いと言え、そこが今までにない初めてのケース。ジョイントの幅とガースが小さくて苦しそうだが、逆に考えればそこをクリアできれば足指など部分に弊害が発生する可能性は非常に低い。その苦しそうな部分も、曲がりなりにもJIS規格で2E表記の靴なのだから、なんとかなると思いたい。タイト目かって修行を乗り越えたら極上フィットを地で行けるかどうか…。実はJIS規格で行くとサイズ26でも自分の足のサイズよりハーフサイズ小さいことになるので一抹の不安は残る。
まぁ、無理せず焦らずゆっくり履きならして行こうと思う。

ということで、今回はこの靴があまりに自分の足にあってると思い買ってしまった。
これならいける、自分の足にピッタリだ。と思って買った靴にW54Dや02PRがあるけど、サイズ感ギリギリの靴だったので、今は指の当たりだったり、指のセンター寄せがきつくなってしまったりで履いていない。02PRの踵はやや抜け気味だったなぁ。踵が抜け気味でも紐をキッチリ締めたら踵がある程度はついてくるから歩行にはそれほど問題はないんだけど、せめてひっかかるなりしてついてきて欲しいと思ってしまうこの気持ちは何なんだろう。靴を履いているんだから踵上げたって踵にちゃんとついていてくれよ、スリッパじゃないんだから、という思いが無意識に沸き上がってきてしまう。。

外羽根5穴プレーントウ、まだ履いてみたい靴がいくつかある。。。うーむ、蒐集癖を止めねば。

ではでは。



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