2017年10月4日水曜日

04MR履き下ろし前メンテと考察


最初にお詫びです。

当ブログにコメントを頂きました匿名の方のコメントの反映が大変遅れまして申し訳ございません。
私がコメント有無のチェックを怠っていたことが原因です。せっかくコメントを頂いた匿名の方、不愉快な思いをさせてしまい申し訳御座いませんでした。


<><><><><><><><><><><><><><><><>


今夜は04MR履き下ろし前のメンテと、02DR/02KRとの比較から04MRの踵のフィット感について考察してみる。

8月に購入し今は既に10月。時間的にも精神的にも余裕があまり無く、購入後のメンテすら書けていない状態だが、終日履いても大丈夫だろうと思える程度に馴染んできたので、そろそろ履き下ろすことにした。履き下ろし前までのメンテと馴染ませ課程を簡単に。

メンテ内容
・濡れ雑巾で拭う
・ステインリムーバーをコットンパフで塗布後すぐに濡れ雑巾で拭き取る
・デリケートクリームを2回塗布(多目)
・レノベータークリームを指で塗布(少なめ)
・暫く時間を置きクレム1925黒をペネトレイトブラシで薄く塗布
・化繊ブラシでブラッシング
・カラ拭き
・馬毛ブラシでブラッシング
・カラ拭き


箱から出した甲革の状態はとても美しく、艶もある程度見て取れることからクリームが塗布されているように思っていた。
いざステインリムーバーをかけてみると極薄くクリームらしきものが取れた。革そのものの色落ちかは判らないけれど、リムーバーをかけても艶はかなり保持されている。


デリケートクリームを塗り込む。特に顕著に良く吸収するという印象はない。箱の中で眠っていた時間がそれ程長くなかったのかもしれない。念を入れて2度塗布した。


デリケートクリーム後、水拭きした状態。


その後、レノベータークリームを塗布。デリケートクリームと似たような役割のものをさらに塗り込む。正直あまり深い考えはなく、何となく使ってみようかと思っただけだが、理由を強いて言うならこのベガノカーフというか、01DRシリーズ全般に馴染むのに時間がかかるように感じているのでレノベータークリームに含まれる少量のミンクオイルで多少なりとも足馴染みの進みが捗れば良いなという思いから。


メンテと称して何か塗り込んでいく度に手入れ前が一番綺麗だったのではないかという思いが頭をよぎる。


最後にクレム1925を塗布して、箱から出した時より綺麗になぁれと念じながら、入念にブラッシングと乾拭き。
上の画像はメンテ終わって皺入れ前の皺の少ない状態を記念に記録した一枚。
なんだか皺入れするのがもったいなく感じる。

この後は、足馴染み作業の度と週に3度程度のブラッシングと乾拭きを繰り返していたのみ。最初に入れすぎなくらいにクリーム類を塗布したので油分水分は充分過ぎな状態のように思う。

私の思い込みでは、革に含まれる油分、或いは表面の油分が多いほど、ブラッシングを始めてからブラシの跡が薄らと甲革に白く残り始める時間が短い傾向にあるように思う。細かいことを言えば摩擦熱も関係していそうだから気温やブラッシングの速度、力の入れ具合なんかも影響はありそうだけど、大雑把にそんな傾向があると思っている。
この04MRをブラッシングすると割とすぐに白い跡が残り始めるので油分多目と判断。今日現在も似たような状態なのでこれ以上はクリームを入れないことにした。

足馴染みの為の室内履きは、ひと月以上の時間が経過しているのでさぞ長い時間やっていたと思われるかもしれないが、実はそれ程でもない。週に2回程度で時間も長くて30分、短い時は10分程度だった。足がキツいことに慣れてきているのか最初の数日でこなれたように思い、その時点で皺入れとぐにゃり曲げを実施。今回は爪先の減りを遅くできないかとぐにゃり曲げを室内履きの度に行った。

左足の皺の入り方が履き心地的に好ましくない入り方で、親指付け根付近を噛むような状態なので室内履き時には屈伸運動やキャッチャー座り状態をしつこく繰り返した。

まだ噛まれ状態は完全には消えていないので、履き始めは絆創膏を張ることになるだろうけど、タイトさの面では終日履いても大丈夫なように思う。とは言え、最初は休みの日に短時間から履き慣らす予定いる。

さて、この足馴染み作業中にどうしても踵のフィット感の無さが気になり、手持ちの靴と形状を比較してみた。


まずはサイズ25.5の02DRと。


新品と比べると02DRの爪先が下がっているのが顕著にわかる。ツリーを入れていることでこうなるのかも。歩行に影響はあるのだろうか。


まずは履き口付近。
02DRの方が大きい。サイズが02DRの方が大きいためか。


画像右の02DRでは踵部分の内側からウエスト部分にかけてフィット感を感じるのだが、画像左の04MRではフィット感に乏しい。こうして画でみると明らかに内側の高さが異なることがわかる。


踵部分を上から。右が02DR、左が04MR。04MRは踵のみならず履き口が随分拡がっている。


踵部分を横から。踵自体の高さが大きく異なる。履いた時の深さの感覚が随分違いそう。サイズ違いのせいでこれだけ違うのだろうか。


内側の高さもやはり奥側02DRの方が高い。


これまでの画像でサイズ25の04MRはサイズ25.5の02DRと比べて、踵自体の高さが低く、履き口内側の高さも低く、履き口の横幅は拡がっていることが見て取れる。


次は同じサイズ25の02KRと比較。


左の02KRと比べて履き口の縦方向の長さはほぼ同じだが、横方向にはかなり広い。


ゴム底の02KRとはヒールの高さが異なるので、ヒール高さを合わせて比較してみる。右が04MR。


踵の高さはほぼ同じだが04MRは全体的に横幅が大きいように見え、履き口も広い。


手前が04MR。
踵内側の高さはほぼ同じ。


やはり履き口が横方向に広い。
外羽根故か。


ツリーのサイズも同じサイズの物を入れているが、04MRは横方向に余裕がある。


02KRのヒールは上に向かって多少絞られているが04MRは寸胴な造形。


02KRを購入した時も踵はしっくりこない感じがあったが、今回こうして3足を比べてみて踵の形状の違いが履き心地の違いに直結していることがよくわかった。

04MRの踵の形状は02KR/DRと比べて大きくゆったりしていて、02DRと比べると高さも低い。
02DRで踵に不満を特に感じなかったのは内側に高さがあり、上に行くほど緩やかではあるが絞られている為に、私の踵の形状に多少なりとも添う感じでフィットし、歩行時に踵を上げた時に、高さと多少絞られているその形状で踵にひっかかるような感じで靴がついてくるからだろうと思う。
02KRは02DRに比べて高さがない為、そもそものフィット感が少なく座りが悪いように感じ、また歩行時に踵を上げた時には引っかかりも少ない為に踵が抜けるような印象が初期にあったのだと思う。
04MRは他の2足と比較して踵の高さも絞りも無く、さらに外羽根であることで履き口が拡がり気味で全くフィット感がなく、歩行時に踵を上げたときにも踵がついてくる要素がない為、抜けてしまうのだろうと思う。

同じ木型を用いていても、内羽根・外羽根等の構造の違いで履き心地も違うものになり、また、同じ内羽根・外羽根でも踵の高さなど各パーツデザインによっても履き心地は違ってくるということなのだと思う。良い勉強になった。


さて、最後にシール剥がし。
いつもは購入日に剥がすのだが、今回は剥がしていなかった。履き下ろし前に剥がすことにする。
成功した前回同様、今回も防水スプレーを仕様する。



埃などの付着も防ぐとある。
ホコリは油分を靴から持ち去る大きな要因なのではないかと最近考えているので、ホコリの付着を防げるなら防水スプレーの塗布を検討する価値があるかも。


シュッと一吹きして剥がしてみたけれど、シールの糊が残留。


気を取り直してもう片方も。


今度はシール全体を濡らす積もりで先程より少し長めに噴射。


あらら、こちらも糊残留。
クラフトテープを使って以前のようにペタペタと糊を剥がして綺麗にした。
シールの形に跡が残ってしまった。



購入直後のあまり履いていない状態で実施しないと効果はないのかもしれない。



さて、これで履き下ろし準備は終わり。
いつもは塗るソールコンディショナーは今回は塗らないで履き下ろすことにした。

ぐにゃり曲げをするにあたり、コンディショナーを塗ると滑りそうなので塗ることを控えていたが、今回はもう塗らないままで履き下ろしてみる。
削れ方に違いを感じられるか試してみたい。

履き下ろし前の綺麗な靴底を記念に。



さて、踵のフィッティングは頼りないけれど、靴紐絞めていれば抜けることはまずないはずなので実用には問題はないだろう。
この先この靴とはどんな付き合いになっていくか、大いに楽しみだ。

※2017年10月7日追記
本記事で画像と共に記載した履き口の拡がりについて、私の04MR特有の症状の可能性があります。
本日、リーガル店頭に展示されている04MRの黒と茶の2足を観察したところ、2足とも履き口から踵のトップラインが私のものよりも明らかに引き締まっていました。ご留意ください。

2 件のコメント:

  1. 初めまして。
    リーガルファンの一人として楽しく拝見させて頂いています。
    リーガル固有のシール剥がしについてです。
    私はベンジン(衣類のしみ取り用と書かれたもの)を使っています。
    最初はインナーの色が落ちるかと心配でしたが、多くの靴で試してみましたが、色落ちは全くありませんでした。
    手でシールを取った後、残った糊(?)をコットンパフかTシャツの切れ端で拭くと、綺麗に落ちます。
    少し時間が経った貼り跡にも有効です。

    返信削除
  2. チルットさん

    コメントありがとうございます。
    シール剥がしの方法、ありがとうございます。
    なるほど、ベンジンですか。
    ベンジンと聞いてちょっと使用するには不安な印象を持ちましたが、少し時間が経った跡にも効果があるとは魅力的ですね。
    現在手元にベンジン系のものがないので、機会を見つけて購入してみます。
    丁度、購入した靴があり、まだ剥がしていないので間に合えば試してみます。

    普段の生活では、この手の話をできる機会に滅多に恵まれないのでこういう情報の共有はとても嬉しいです。
    今後ともよろしくお願いいたします。

    返信削除

承認制にはしていますが、コメント歓迎です。
お気軽にどうぞ。