2018年6月10日日曜日

靴のお手入れ 2018/06/10


今日のメンテはつま先修理から帰還した03DR。
オールソール以降半年近くメンテしていないため修理したのを機にメンテしようかと。
主目的は補油、保湿、清掃。
綺麗な状態で修理から帰ってきた03DRだが、念入りにブラッシングして乾拭きしたのが冒頭の画像。充分綺麗に見えるからメンテしなくてもよいかもという誘惑に駆られたがせっかくなのでメンテすることにした。

メンテ内容
アッパー
・水拭き
・ステインリムーバー
・水拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・乾拭き
・クレム1925黒
・化繊ブラシ
・乾拭き
・馬毛ブラシ
・乾拭き

内部
・水拭き

ソール
・コンディショナー塗布
・乾拭き



メンテの前にツリーの効果に感心したので比較画像を。
皺が見えずらいので敢えて照明を落として撮影してみた。
上は修理帰還時のツリーなし状態。下は一晩ツリーをいれておいた状態。
一番顕著だと思うのは、左足(向かって右)ウイング外側に一本深めに入っている皺。
一晩ツリーを入れて置いたら皺が見えにくくなっている。
ツリーの必要性について懐疑的な意見もネットで見かけることがあるけれど、こういう違いを目の当たりにすると私はツリーを使いたいと思う。皺が消えるわけでは無いけれど革にとってもシワシワさせておくより良さそうだし、手入れする私としても手入れし易く、且つ見映えも良い。


水拭き前の状態。




やや緩めに絞った雑巾で優しく念入りに撫でる。
雑巾への付着が落ち着くのを目安にして、拭き取り後はしばらく乾燥させる。



次にステインリムーバー。
コットンパフで優しく撫でていき、片足ごとに撫で終わったらすぐ水拭き。
注意深く汚れの落ち方を観察していると、皺部分など、雑巾では撫でにくい部分から良く汚れが落ちて来ているようだ。もちろん全体的に黒いものが付着してくるのだけど、ステインリムーバーには水と違って界面活性剤が入っているから、水よりも油分を落とすことに優れているということなのかな。
水拭きで取り残した、或いは取れないものを落とせている、ということなのかもしれない。
そういえば、昨日の2236NAはリムーバーを忘れてしまったな。






リムーバー後はよく乾燥させてデリケートクリームを指で入れていく。
全体に塗りこみしばらく乾燥させてから水拭き。
ここでも黒いものが付着する。デリケートクリームにも洗浄効果はあるということなのだろう。昨日の2236NAの時のようにリムーバーの代わりにデリケートクリームだけというのもよいかもしれない。



デリケートクリームを拭き取って乾燥させている合間に靴の内部を掃除して水拭き。
オールソールしたての時は履き心地がリソール前と比べて気持ちタイトになったような気がしたけれど、今はもう違いが判らない。以前の履き心地を忘れかけているだけか。


アッパーが乾いたのを見計らってツリーを入れて乾拭き。艶を出していく。


クレム1925を塗布。
今回は片足一粒程度。
クレムが浸透してくれるように40分程度待った。



クリーム塗布したてとしばらく置いてからの様子は若干異なるような気がするから、きっとクリームは浸透してくれたのだろうと思う。
化繊ブラシでクリームを均し飛ばしていく。


アッパーの拭き取り前に、ソールのメンテを。


アウトソールにコンディショナーを軽く入れる。

靴底にベッタリと張り付けてあるのは、オールソールしてから靴底消耗対策として張り付けたステッカー。
余談になるが、ステッカーについて少し遡って説明する。
履きおろしから2年半でソールが消耗してしまったため、もっと靴底を長く持たせる方法はないかと考えて実施した対策。
直接には靴底の摩耗を遅らせることを目的とするが、ソール張り替え限界による靴寿命を先延ばしすることが本来の目的。



張り付けたステッカーは、東急ハンズなどでも販売されているコロンブス製のもの。
価格は7~800円程度でハーフラバーを貼ってもらうよりも安価であり、自分で手軽にできる所が魅力。
ハーフラバーを貼るのに較べて、ゴムで覆う面積が小さいので、通気性と履き心地への影響は多少マシに思え、装着時の靴への負担は小さいことが利点。
一方でゴムで覆う面積が小さいことで露出しているソール部分は消耗する可能性があり、つま先はカバーしていないのでつま先補修が必要になることが欠点。つま先に関しては、別途つま先にもこのステッカーを貼ってしまえば解消される可能性がある。今度張り替える靴があったら試してみるかも。



中味はステッカーが左右一組とソールを削るための粗めの紙やすりが2枚。
きっちり張り付けるために靴底を軽く荒らしてから張り付ける。
履き下ろして間もない04MRの底の削れ具合を参考に位置決めし張り付けた。






ステッカーの表面は四角推状の小さい突起物になっており、グリップ性を考慮しているようだ。材質はゴムのようだけれど、結構硬めの印象。指を強く押し付けると痛いくらいの硬さ。




つま先修理の出す前の状態。
半年近く週一ペースで履いたが、今の所ステッカーの消耗は顕著には判別できず、剥がれやズレもない。大雨にはまださらしていないので、水分の接着力への影響は見えていないが耐久性は高そうな印象。
ステッカーがカバーしていないソール露出部分は、つま先を別にすれば少し擦れている程度でそれほど消耗していない。思いのほか接地している部分は小さいということらしい。



ステッカーの貼ってある部分のソールそのものは全く削れていない為か、靴底の立体感がリソール時とあまり変わらずに残っている。靴底の消耗を抑えるという目的に対しては充分に効果があると言って良いだろう。だが、立体感が残っていることによって不安定な感じがすることが時折ある。着地して足を踏み出す時などに、ともすると足が多少グラつく時がある。足を捻るとかというレベルではないので実害はないが、初めて感じる感覚だったので印象に残っている。
また、履き心地は素の革底に比べると違いがある。
まず、接地した時の感触が革ではなくゴムのものになる。そして、底の返りが若干悪化しているように感じる。物凄く違うのかと言われると難しいのだが、私の感覚ではちょっと違うなという程度。革底の感触ではないと言えばその通りなのだが、ゴム底のものかと言われればそれもまた違うように感じる。私は鈍感なのでこのように感じているが、人によっては全然違うと感じる人もいるだろうし、それほどでもないという人もいることだろうと思う。
人によって革底で感じているものや、良いと感じている点が異なることもあるかもしれないからどう感じるかは人によるだろうと。
私はこれはこれでありだろうと思う。01/02DRは革底のままにしているから革底の感覚を味わえない訳ではないというのも、こう思う理由の一つかもしれない。
このステッカーを貼ることで、次回のオールソールをどの程度遅らせることができるか、引き続き実験を続けていこうと思う。

本題に戻ります。

ソールにステッカーがあるので、油分が接着剤に影響するかもと思い意識的に少なめにコンディショナーを塗りこむ。


5分ほど置いたら乾拭き。まだ浸み込んでいないクリームはふき取ってしまう。
擦れて白くなっていた部分もステインと似たような色目に戻って少しびっくり。



靴底のメンテが終わったらアッパーのクリーム拭き取りと拭き上げ。
最後に馬毛ブラシでしっかりブラッシングして乾拭き。
新しい紐を通して完了。
メンテ前に比べて少ししっとりとした艶やかさになったかな。目的は達成ということにしておこう。







オールソール時に負担が掛かったと思われる皺も随分緩和されてきたようだ。パッと見ではそれと気づかないレベルにまで落ち着いてくれた。

この6月で購入後、丸3年を経過したこの靴。
まだ3年しか経っていないのかというのが正直な感想。もっともっと前から一緒にいたような気がして仕方ない。それだけ濃密というか接点が多かったということだろうか。
3年経って、傷や皺も増えてきて、履き込んだ感じが出てきているように思う。履き心地も足と折り合いがついたようでもう痛いところはほとんどない。足の状態によっては、右の踵が少し緩く感じる時があったり、左の小指付近に痛みを感じたりすることがあるなど細々としたことは挙げようと思えばいくつかあるが、終日履いていても苦になるようなことがほぼないまでに馴染んでいる。
これまでに、つま先修理3回とオールソール1回。結構費用も掛かっているけれど、依然として登板頻度の高いお気に入りの一足。私の手入れと扱いでも今のところわりと綺麗な状態を保ってくれているので、革も造りも良いものなのだろうし、満足感も高く実用靴として申し分ない。これからも積極的に履き込んでいこうと思う。

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