2018年8月19日日曜日

靴のお手入れ 2018/08/18


今日のメンテは3046SF、スタンステッド。
梅雨明けからメンテどきと思いつつ、先日森へ出かけてかなり汚れたのを機にようやく手入れを実施。主目的は、清掃とコバメンテ。

購入から一年経過。
オフの雨の日や、公園に出かける時などに主に登板させているこの靴。
最後のメンテが昨年11月初旬なので、約10ヶ月ぶりのメンテ。
ブラシと乾拭きでは取れない汚れの付着とコバがガビガビなのでそのあたりをメインに手入れする。








 
踵はカップの大きさ自体が大きめで緩いのと、サイズも少し大きめなことも重なってそうとう緩い感じだが、内部のダメージはまだそれほどでもない。ライニングが白だからほとんどわからないかな。



ソール、ヒールともに消耗が見え始めた。



爪先は接地機会が少ないためかほとんど消耗していない。
コバというかウエルトはひどい状態。



わかりにくいけれど、甲革に付着してきた汚れと黒ずみ。W10BDJやブリストルと同様、茶系の靴だと砂埃汚れなどが黒に比べてよく目立つ。

メンテ内容
甲革
・水拭き
・ステインリムーバー
・水拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・リーガルクリーム茶
・化繊ブラシ
・拭き取り
・馬毛ブラシ
・乾拭き

コバ
・水拭き
・ステインリムーバー
・水拭き
・毛羽寝かせ
・コバインキ
・リーガルクリーム茶
(以下甲革と同様にて略)

アウトソール
・濡らしたタワシで洗い、拭き取り

内部
・爪先のごみ掻き出し
・デリケートクリーム

購入から一年を経過してまだ2回しかメンテしていない。
履きおろしの時にタップリとレダーオイルをいれたので、少し油分が抜けてくれた方が光ったりしないかなどと考えていたが、汚れとコバの傷みが目立ってきたのでメンテすることにした。


こんな所とか


こんな天気とか


勿論普通の時にも

ただ、他のオフ用靴に比べると雨の登板頻度は圧倒的に高く、オフロードな環境での登板もほぼ一手に引き受けてくれている。履きおろし時に汚れ落としで多めにレダーオイルをいれているので少し甘えていた部分もあって、メンテ期間が開いた。








久しぶりのメンテということもあって、ジックリとフルメンテを実施。
ゴム用の濃い茶のコバインクも購入したので準備万端。


左足のつま先内側にあるシミのようなものは傷。
子供を乗せたままで自転車のスタンドを載せてしまい、銀面が削れた。
クリームいれたらその部分だけ色が濃くなった。ここだけはニュートラルのクリームにした方が良かったのかも。


今回はコバインクを塗る時にしっかり養生して塗布したのだが、養生テープを剥がしたらウエルトと甲革の間からビニールのようなものが出てきた。


もう片方の踵部分にも奥の方に同じようなものが見える。
甲革のつり込みが終わってから熱収縮ビニールのようなものを被せて作業した名残かな。



引っ張りだすのに結構骨が折れたが、わからない程度にはなったようだ。




靴のノーズが流線形になっていて、最近の新幹線のノーズに通ずるものを感じる。
ウエルトの先端部分の上部はこの流線形に沿うようにわざわざ面取りされているので、デザイナーの人は流線形を意識したのかもしれない。遠目にはあまりわからないけど。






ゴツい見た目からは意外に思う程柔らかい接地感のソール。グリップにも問題を感じることはほとんどない。脂っこい床ではスベリ易いが、どのソールも似たようなものかと。
屈曲性も特に気になるようなことはない。メンテしているときに靴を持つと踵部分が重いと感じることがある程度。
リッジウェイソールも少しづつ溝が消え始めている部分があり、消耗がわかるようになってきた。
接地している部分はとても少ないようで、接地している部分が集中的に摩耗しているように見える。リッジウェイソールのあぜ道トレッドの高さがあるせいか、つま先はほとんど減らない。つま先にあまり注意が必要ないのはこういうソール特有なのかも。



このシボ革は2236と比べてシボの粒が大きくハッキリしている。そのせいかクリームがシボの間に入り込んでしまい、拭き取りに一苦労。
今回は少し多めに3粒程度のクリームをいれたのだが、溝にまだ残っているように見える部分もある。次回のメンテ時にはレダーオイルを再び使って油分汚れ落としが良いかな。




この盆休みには家族で森林へ出かけたが、足元に選んだのはこの靴。
この少し緩めに感じる3046SFを履いて、暑い中丸一日歩きまわって感じたのは、緩めのフィットでもそれほど不都合はなく、逆にこういうのも悪くないし、ひょっとしたら私としては少し緩く感じるくらいのフィット感が本来のサイズ感なのかも、ということだった。

W10BDJと同サイズ、2236よりハーフサイズ上で履いているこの靴。
購入時にはこのサイズしかなかったので選択肢は買うか買わないかしかなかったのだが、当初はタイト目だったジョイント付近の幅は少し緩めに感じる程度まで馴染み、甲は閉じ切り寸前なものの程よく締め上げることができ、踵は緩いものの問題ない程度に足を固定できている。ストレスは全くない。
都会で整備された道を歩いている時には屈曲時に踵が少し上下に動くことがあるなと感じる程度。今回のように足元が悪い場所へ行った時には、優しい履き心地を強く感じる。デコボコしているところで足が傾きながら踏みしめた時などに、緩めなために足が靴の中で少し動き、局所的にかかった荷重を柔らかいライニングと甲革が少し伸びながら分散して受け止めてくれるように感じた。緩いからそう感じるのか、靴が柔らかいからそう感じるのか微妙だけど、タイト目だとより直接的に足に負担がかかるように思えるので、そういう意味では優しい履き心地と言えるのかなと。柔らかめのソールも関係しているのかもしれない。

サイズ感や履き心地を考えていると際限がないようにも思えてくるのだけど、タイト目にはタイト目の、緩めには緩めの良さがあるから、最後は好みということになるような気もしてきている。
自分の好みのサイズ感を見つけることですら、私は5年以上かかっている。5年程度ではある靴のあるサイズの本当の履き心地をわかった、知っているというには短いのかもしれないけれど、現時点ではタイト目、緩めどちらの場合もそれぞれに良いと感じる所があってどちらが良いとか好きとか決めることができない。(決める必要もないのかも知れない)
甲革の種類や製法なども、世間では色々と取り沙汰されているが私は大抵の場合、その良いところを見つけてしまい、そこに注目してしまうので、靴としての機能に支障がない限り、これはダメだとか決めつけることが難しい。
別な見方をすると私は緩すぎずキツすぎなければどんな靴でも良いのかもしれない。一体どれほど鈍感な感覚の持ち主なのだと自分で思わないでもない。もう少し別な見方をすると、同じメーカーの靴を10種近く履いて(吟味してではあるが)、どの靴にも決定的な不満や問題がなく、いい靴だと思わせる靴を世に送り出しているメーカーが凄いのかもしれない。
靴を買うときにはあれこれ細かく吟味しているけれど、結局の所はどんな靴でもそれなりに満足してしまう自分なのかもしれないし、たまたまどの靴を選んでも私の足にそれなりに合った靴を作っているメーカーだったから、このように思うだけなのかも知れない。
どんな靴だったら最高と感じるのか、靴を探しながら実は自分を探しているのかも知れない。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    スタンステッド、Hayateさんがお持ちの靴で、私の好きな靴の一つです。
    既に廃番とは淋しいです。
    今だと、リッジウェイソールのものはハンプトンですね。
    ただ、ショートウィングになって色合いもかなり違っています。

    一年間の履きこみの成果(笑)、良くわかります。
    お手入れされて、見違えるように綺麗になりましたね。
    流石です!

    ところで、ヒール部分にあったアッパーとウエルトと間のビニール。
    私も01NRで発見していました。
    Hayateさんが書かれている通り、ソール取り付け前のラッピングの名残でしょう。
    はて、どうやって取ろうか、革を傷つけそうだなと尻込みしていましたが、こちらの画像を見て小さ目のラジオペンチでやってみました。
    確かに苦労しますね。
    お陰様で、何とか取れました!
    情報、ありがとうございました。<(_ _)>

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    1. チルットさん

      コメントありがとうございます。

      スタンステッド、私は存在も名前も全く知りませんでしたが生産数自体が少ないシリーズだったようですね。私が持っているシェットランドフォックスのイメージとは方向性が違い、おっしゃる通りアメリカ靴そのものの外見と、メリハリの利いたカッチリした履き心地とは程遠いフワフワした柔らかい履き心地です。リーガルブランドでの発売の方がどちらかというとしっくりくるのではないかとも思えます。

      ハンプトンはハマる人にはかなりハマっているようですね。良い評判をチラチラ耳にします。私はブーツの方にも興味があります。

      ビニール除去の情報がお役に立ちましたか。
      お役に立てて嬉しいです。また、それを伝えて頂けたことがもっと嬉しいです。
      ありがとうございます。
      それにしても、何が役に立つかわからないものですね(笑)

      このブログは自身のメンテや購入を記録するためと、革靴初心者の迷走をありのまま公開することで、革靴に興味を持ち始めた人の役には立つことがあるかも知れないとは考えていましたが、ベテランの方にもたまには役に立つこともあったというのは、予想していなかったので、嬉しさも層倍です。
      良いことも悪いことも、ありのままを公開することには意味がありそうだと改めて感じています。

      01NRでもビニールの残りがあったとなると、スプリットやストームウエルトの場合はビニールを外す時にウエルトが邪魔になってうまく取れないことがままあるのかもしれませんね。しかし、ストームウエルトなんてリーガルの十八番ですからレアケースなのかもしれませんが…。

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