2018年8月31日金曜日

2235NA プレメンテ完了とトウの比較


2足の2235のメンテを完了。
履き始める前の状態とプレメンテ内容、同じ靴だけれど雰囲気が少し違うと感じる部分があるのでその辺りを記録しておこうかと。平紐が履きおろし前状態で購入した2235NA①、丸紐が状態良さげな中古状態で入手した2235NA②。


プレメンテ内容
甲革
・馬毛ブラシ
・乾拭き
・水拭き
・ステインリムーバー
・水拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・グリセリン水(①は30%、②は20%)
・レダーオイル
・乾拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・乾拭き
・クレム1925黒
・化繊ブラシ
・拭き取り
・馬毛ブラシ
・乾拭き
(以下は2324クラック発生を受けての追加工程)
・水拭き
・レダーオイル
・乾拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・乾拭き
・クレム1925無色
・化繊ブラシ
・拭き取り
・馬毛ブラシ
・乾拭き

内部
・水拭き
・デリケートクリーム
・水拭き
・デリケートクリーム

コバ
・2235②のみ毛羽寝かせ作業実施
・レダーオイルとコバインク塗布以外は上記甲革のメンテと同様。
コバインクはクレムを入れるタイミングで一度だけ実施。

表底
・水拭き
・ソールコンディショナー
・乾拭き
・ソールコンディショナー(二回目)
・乾拭き

2324でクラックが発生したので、念のため油分補給を追加で行った。
履いてみないとクラックが発生しないのかはわからないけれど、後悔しないための措置。
どちらも私にとっては古い靴なので、念入りに作業を実施した。


履き下ろした靴と履きおろし前の靴との比較なので、条件が多少違うけれど、この2足で違いを感じたのはトウの雰囲気。右側丸紐の中古で購入した2235②はトウの丸みがつよく、ふっくらした印象なのに比べ、左側平紐の履きおろしていない2235①はシャープに見える。



丸紐が中古の②、平紐が新品の①。
光の反射からトウの盛り上がりが違う印象。



トウ部分を真上から。
丸紐が中古の②、平紐が新品の①。
私には①の方がスマートに見え、②は少し太り気味のように見えるけれど、目の錯覚だろうか。



この角度からだと違いがわかりやすい。爪先からバンプにかけてのラインが違う。
これが雰囲気が違うと感じる一因かな。
2235②はキャップ部分のパーフォーレーションとメダリオンの間が盛り上がっているように見える。そのせいか、トウ先端のほんの少し丸く盛り上がっている部分が、ボヤケ気味…というかない。



両方とも右足。丸紐の2235②の方が幅広というか、肉厚に見える。
光の反射具合からも②のほうが曲線的な造形であることが見て取れ、縫製部分は革が凹んでいるように見える。


詳しく観察してみると雰囲気が違うと感じたのは間違いではなく、少し違いがあることが判った。
ノーズ近辺は一番目に付く部分だけに、気付き易かったというところだろうか。
使用上は特に問題はないだろうし、個体差だろう、きっと。

ついでに他の部分も少し見てみた。



羽根の縫い付け部分の縫製もほんの少し違いがある。違いという程の違いではないかw。



ストームウエルトのエンドの処理はどちらも綺麗。この部分の処理は作業者に大きく左右されるのかな。


試し履きで踵の食いつきに違いを感じるので踵も比較してみた。
左が中古の2235②、右が新品2235①。
履いた感じでは①の方が踵の食いつきが強く、右踝が突き上げられる感じで、2236の時と良く似た印象。②はカップが少し大きめな感じで食いつきが弱い印象。
こうして比べてみると、誰かが少し履き慣らした②の方は踵や履き口廻りが全体的に少し広がっているように見える。そのせいかわからないけど、その分高さも低くなっているような。

やはり、硬い月形芯も履いていると劇的にではないが、徐々に形を変えるということなのだろう。
踵の造形の高さも2236との比較の時ほどではないが、違う。履いている内に底が消耗して低くなるだけでなく、足の造形に合わせて靴が変形して高さも変わっていくということだろうか。
そもそもの釣り込み具合の違いが影響しているということもあるかも知れないけれど、釣り込み具合の違いだけではここまでの高さの差にはならなそうに思う。
トウの雰囲気違いには影響しているかも。

踵が緩く感じる04MRや02KRでは意識的に踵を強く靴の後ろ側に押し付けるように履いて、月形芯の形状を少しでも変えることで食い付き感を改善できないか試していて、多少は効果があるように思っていたのだけど、こうして新品と多少履いた同じ靴の踵を比較すると、効果があると感じているのはあながち間違いではないようにも思える。その効果のほどは、今のところ微々たるものだけど。

さて、履きおろし前のメンテは終わったのいつでも履きおろせるのだが、この靴達は、どちらか一つだけでもつま先を予めステッカーで保護して履き下ろしてみようかと思っている。
いつものようにつま先修理でもよいのだけど、つま先が削れ難ければ、靴が残念な雰囲気になりにくそうだし、ステッカーで保護が可能ならば何より安上がり。
もうひと思案ともうひと手間が必要になるけれど、取り敢えず試してみることにしようと思う。
取り敢えず履く靴には困っていないから、早く履きたい気持ちも強いけど、焦らずにゆっくり履き下ろそうと思う。

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