2018年8月13日月曜日

2324 クラック対策メンテのその後


クラックを発見して油分をたっぷり補充してみたこの2324。
油分補充がクラック拡大抑制に効果があるか、履いて外へ出てみた。






散髪がてら片道約一キロの道のりを徒歩で。
床屋で順番待ちしながら靴の状態をチェック。
他の待合客の目線が気になりながらパシャリ。

遠目にはクラックは目立っていないように見える。前回は歩行しながらクラックに気付いたが、今回はほこりが付いているようにも見えない。オイル入れて多少は効果があったのかなと淡い期待を心に秘めながらもう少し詳しく見るために足を組んでみる。
どれどれ。




うーむ、オイル補充の効果は微妙。
クラックそのものも増えているような気がするし、前にあったクラックも長さが伸びているような気がする。



クラックに気付いた時の画像と比べてみると、
クラックの数も増えているようだし、既存のクラックの長さも伸びてて、よりはっきりクラックが見えるようになっているように思う。



少し離れればそれと気づかないレベルか。
クラックの発生と拡大は抑制できないけれど、油分補充で見えにくくすることはできる、ということか。
タップリとオイルをいれたからだと思うけど、革がクタクタと柔らかくなってしまった。
たかだが一キロ程度の徒歩で随分と多くの新たな皺が増えているように思う。
新たな皺が形成されることで、負荷が分散されて革の面積当たりの負担が減って喜ばしいと考えるべきなのか、革本来の感触や雰囲気からは程遠いものとなるが、保革の為のトレードオフで致し方ない部分と考えるべきか、どう捉えるか迷うところ。



再び、一キロ程歩いて帰宅したのちにブラシ掛けと乾拭きをしてもう一度状態確認。
オイル入れた直後程ではないが、再び見え難くなった。

ということは、私の足が靴の造作より大きくて、革が伸びなければ足を受け入れられないけれど、足受け売れに必要な伸び幅が革の伸び幅の限界を超えた為に銀面の弱い部分から部分的に断裂して表面積と距離を稼いで、大きな足を受け入れた、ということなのだろう。
いくつもの細かいクラックが平行に並んでいるということは、革の状態が局所的に悪いということではなく、どの部分の状態も似たようなものだったのだろう。逆に言えば広い部分で均質な革と言えるのかも。もし局所的に革の状態が悪かったならば、その部分だけが大きく裂けることになったのではないか。
革の状態が悪いながらも革の広い部分で断裂して伸び幅を補っていることで、足を入れている時は裂けめがクラックとして視認できるし、歩行して屈曲させれば、さらに伸び幅が必要になる瞬間があり、そのたびに断裂の幅を広げたり(結果としてクラックが長くなる)、まだ裂けていない次に弱い部分が避けたりして辻褄を合わせている、ということなのだろう。
そして、靴を脱ぐと足が入る前の、革が引っ張られていない状態に戻り、限界を超えた伸び幅は必要なくなり、クラックは見えにくくなると。

この靴以上のタイト感で足入れして履き慣らしてきた靴はいくつもあるから、新しい革と比べて、引っ張り強度が低下していたのだろう。
今回甲革の見える部分にクラックが発生しているのは主に左足。右足は限界に近いくらいのタイト感だったけれど、左足は私としては普通のフィット感。負荷は左足の方が小さいはずだが、クラックが走っているのは左足で右足の同じの部分にはクラックは確認できない。
足入れして前オーナーの歩き癖などを感じていたが、左足が利き足なため、左足の方が劣化が早かったということなのかもしれないし、あるいはクラック部分の革に負担の掛かりやすい皺が入ってしまったことで、左足にだけクラックが入ってしまったということなのかもしれない。

クラックの発生要因はおぼろげながらだけど推測できるような気がするけれど、有効な対策案は難しそうだ。油分も水分も入れてダメなら、他に何ができるだろうか。
革にクラックが入るような状態になることを避けるのが、今の私に考え付く最も有効な手段だ。避けるにはどうしたら良いかを考えると、タイト過ぎず緩すぎないサイズの靴を適当な頻度で履き、十分なメンテナンスを継続して行うことくらいしか思いつかない。
皺にフォーカスすると人工的に皺を入れるというのも、リスキーな皺が入るのを回避するという意味で一つの方法かもしれないと思わないでもないが、ではどんな風に皺をいれたらリスキーではないのかとか、思い通りの皺はどのように入れるのかとか、私にはわからないオープンポイントがいくつもでてくる。
私が考えるクラックが入るような状態に陥るのを避ける方法にしても、クラックが入りやすい箇所にクリームを入れること位しか取れる手段はないような気がする。
とどのつまり、いずれどんな靴でも限界を迎えることは避けられないのだろうと。


さて、積極的に油分補充をしてみたけれど、クラックの拡大抑制には結果としてあまり効果が見られないということがはっきりした。
一度発生してしまったクラックは、生きている皮膚ではないので、人間の傷のように治癒して塞がるようなことはない。あとは裂け目が拡がらないように、銀面を少し削って裂けめの拡大を防ぐ方法が残っているけれど、削るのはどうも気が引ける。
クラックがこの後どのように変化していくのか、注意深く観察していこうと思う。

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