2015年11月14日土曜日

覇王の番人 真保裕一

明智光秀を主人公とした物語。

上下巻千ページ近くあり読み応え充分。


巷の定説に対する疑問を著者が投げかけているかのような斬新な解釈。戦国から安土桃山にかけての出来事の流れはそれなりに理解していることもあり、あの場面はどうなるのかと興味が湧いたり、ここではこうなのか、へぇそうしてしまうのかとか、別な意味でも楽しめた。

歴史のとらえ方は、人それぞれだし立場によると思うが、勝者の言い分が強く伝わり、敗者の言い分は伝わらないというのは大いに共感するところだ。

歴史本の多くは勝者側の書いたもので、結果としてその歴史本が広報誌のような役割を果たす。

直近の祖国の敗戦後は昔の広報誌のような生易しいものとは異なる凄まじいことが行われ、その上で現在の一般的な歴史観がある。歴史感はひとそれぞれで結構だが、他人様が他人様の都合や目論見で造ったものでなく、出来事と推移から自主的に冷静に判断したいものだ。



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