今日のメンテは01DR。
主目的は、点検と清掃。雨の影響があればその対応。
基本ゴム底しか履かなかったメンテサボり期間だったが、たった一度の例外で登板させたのはこの01DR。
2018年末から色々重なって大変だったが、その内の一つ、入退院を繰り返していた母との別れの時に着用したのだった。
生憎とその日は豪雨。朝から物凄い豪雨だったけど、靴が濡れるとかあまり気になった記憶はない。特に履く靴にあれこれ思いを巡らせたような記憶もなく、自然と手に取っていたのはこの靴だった。
勿論ずぶ濡れで内部まで水が入ったのだが、帰宅後は2,3日玄関に放置して乾いたらブラシ掛けしてまた下駄箱に戻しただけ。
さて、この靴の状態がどうなっているか、点検していこう。
少し埃が乗っているのと、左キャップ部分に銀浮き気味の箇所があるのと、両方のキャップとも表面が部分的に異なる部分があるようで、黒の色味が少し斑見える。
トップリフトの一つ上(下?)の層が水濡れのせいか歩行のせいかガビガビしている。
表底は小石が少しめり込んでいるが、特に異常はなさそう。
両足とも踏まず部分に少し塩が浮き出ている。カビではなさそう、ないと思いたいw。
内部浸水の跡かジョイント分の両サイドに白い線が(多分塩)見て取れる。
内部の踵周辺には特に影響なし。
雨の影響がありそうなのは、キャップ部分、踏まず部分、ヒールリフトと内部のジョイント部分かな。
よし、この4点の現状復帰を重点にメンテしよう。
メンテ内容
アッパー
・水拭き
・ステインリムーバー
・水拭き
・キャップのみデリケートクリーム
・乾拭き
・クレム1925
・化繊ブラシ
・拭き取り
・馬毛ブラシ
内部
・水拭き
・デリケートクリーム
アウトソール
・水拭き
まずは埃払いも兼ねて、本腰を入れてブラシ掛け。
踏まずの塩はどうなったかというと、、
お、消えた。ブラシ掛けだけで消えてくれるとは幸いだった。
次は水拭きで全体の汚れ落としと水分補給。
少し濡らすとキャップ部分の色味というか表面の質感に違いが出ている部分の境目が、よりはっきり見えるようになった。そういえば、いつか02DRでも雨に降られて同じような感じになったことがあったな。
左足キャップは軽くポコっと銀浮きが見られるのと、多少斑になったような部分があるがうまく写せない。。。
ステインリムーバーで表面のクリームを落としていく。
クリームが落ちて傷跡などが見えるようにはなったが、斑模様や銀浮きは変わらず。
雨によってできたと思われるこのような変化は、革に雨が浸み込んだことが原因だから、一度しっかり湿らせて、乾かしてみる。
今回は異常が見られるのはキャップだけなので、キャップだけに水を滲み渡らせる。
前回の02PRではクリーム落とさずに湿らそうとしたせいか滲み渡らせるのに小一時間かかった。今回はクリームを落としているのでそれよりは早く浸み込むと思う。が、黒色の革だと浸みた滲みてないの見分けができないので、一時間程びしょぬれのタオルでキャップを覆った。
水が浸み込むと革がとても良い状態になったように見えるのは気のせいだろうか。
見る角度によっては、若干色味が違う部分があるように見えないこともないが、大分均質な見た目になったようだ。バンプ部分にはほぼ水が滲みていないのも良かった。
ゆっくりと乾くようにとデリケートクリームを軽く塗り込んで乾くのを待つ。
一晩置いて乾燥した状態で再度点検。まだ若干斑が残っているように見えなくもないがボコボコしている訳でもないので、これでよし。
念入りに乾拭きしてブラシ掛けして、更に乾拭き。
目を凝らしてみても、違和感はほぼ感じない。
このあと、内部の清掃補油と踵ガビガビの処理。
甲革にクリームを薄塗で入れていく為、クレム黒を用意。
一瞬クリームが白に変わったのかと思ったが、蓋の裏ブタがはがれてしまった模様。
やっとクリームが見えたと思ったら、このクリームもひび割れしている。
甲革に薄く塗り伸ばす。傷の部分と屈曲部分には気持ち多め。ウエルト、ウエルトと甲革の境目にもしっかり塗り伸ばす。
30分程置いてから、化繊ブラシでクリームを均し飛ばしていく。
その後、念入りにクリームを拭き取り、ブラシ掛け。
最後に紐を通し直して完了。
コバと踵もコバインクではなくクレムだけだけど、これで十分。ガビガビもわからなくなった。
キャップの違和感もなくなった。
外から見える踏まずの塩、キャップの違和感、踵のガビガビは誤魔化せたようなので、目的は達成。内部には浸水の跡は残っているように思うけど、白い線は消えたので良しとする。(画像取り忘れた)
久しぶりに実際に手に取って触れても、こうやって少し遠目から眺めてみても、01DRっていい靴だなと改めて思った。
これで急いでメンテしたい靴はすべてメンテした。
メンテサボり期間中のヘビロテの一角だった靴がもう一足あるけれど、それはまた別の機会に。壊してしまったので、どうしようかと考えている。
この備忘録を、丁寧に色々やっていたんだなと自分に感心しながら読み返し、だんだん何をしていて何に関心を持っていたのか思い出してきた。
下駄箱に眠っていた靴達を引っ張り出して埃を落とし、足入れをして感触を確かめたり、徐々に仕事でも履き始めているが、足がふやけたのか大きくなったのか、痛みに敏感になったのか、凄いタイトに感じる靴や痛い靴がチラホラ。特につま先があたるような靴はよく履いて歩いていたなと感じる程。足のなまりが取れた後でも、あまりにタイトな靴や痛い靴は、新たな靴に置き替えようかとも思っている。
今、フィット感というかサイズ選びで最も気になっている点は、指回りの余裕と捨て寸。
どの程度タイトな靴が馴染んで丁度良くなるのかもう一度見直す時期かも。
最初から丁度良い靴を選んでブカブカになった反動でタイト目に触れ過ぎているのではないかとの疑問が湧いてきている。
一年半の冷却期間のせいでそう思うのか、感覚の変化でそう思っているだけなのか、実際にそうなのか、しばらく時間を掛けてよく考えてみる。
ネットでよく見てた靴のブログやお店のページを見てみると、ちょっと浦島太郎になったような気分。なくなったページやブログがあったり、リーガルの靴も知らない靴ばかりだったり、知っている靴がもう売っていなかったりで、時間の経過を感じている。
W10B、ディスコンしたみたいだし、02PRは廃盤セール中。
スニーカー買う時に久々にリーガルシューズ覗いたら、気になる靴を見つけてしまった。時間見つけてまた靴屋巡りでもしようかな。
お母様のこと,お悔やみ申し上げます。
返信削除01DRCDは皆さん高評価の靴ですよね。今回のメンテ記事を見ても,基礎力の高さを感じます。
私は革底ストレートチップはショーンハイトのパターンオーダーを買ったので悩ましいですが,もう1足増やすなら01DRCDと考えています。
さかぐちさん
返信削除コメントありがとうございます。
お気遣いありがとうございます。
01DR、私にとっては色々な意味で満足度の高い靴です。あまり悪評を聞きませんし、発売から七年経った今でも販売されているので、世間的にも受け入れられているようです。
01DRに限らずですが足の形も靴に求めているものも人それぞれなのに、多くの人に評価される靴って不思議だなぁ何て思ってます。
01DR、足に合うならお勧めです。